【プチ登山】展望台のある山 丹沢・仏果山/高取山
2月に入ってやっと冬らしい気候になって、おかげで毎日冬晴れ。
丹沢や奥多摩のくっきりとした山並みが通勤電車の車窓から見え、会社のビルの最上階からは筑波山のはっきりした輪郭を眺めていました。
しかし、何か心穏やかでなく、山登に行くまでにこの展望がもつだろうか、とやや心配でした。
ってな訳で、暖かくなって空が霞む前にと丹沢・仏果山/高取山に登ってきました。
この山は、丹沢山塊の最前衛で、標高が700m台ですが、都会の街並みと雄大な丹沢の展望が楽します。
また、暖かくなるとヤマビルの餌食になるそうで、冬場しか登らないようにしています。
登山口までは自宅から1時間くらいだろうと、日の出に登り始めるのを想定して5時に出発。
ところが、あらりゃりゃ40分かからないで着いちゃった。
車中で時間を潰していたのですが、退屈なので黎明の宮ケ瀬湖周辺をドライブし、駐車場に戻ってきて7時前に登山開始。 登山口付近の気温は-3℃でした。
なお、今回は「半原」→「仏果山」→「宮ケ瀬越」→「高取山」→「半原」の稜線東側からの周回コースでした。
最初は少し急な植林帯を登って、どんどん高度を上げて行きます。
しばらくすると林道を横切り
この辺りから都心の街並みがよく見えてきました。
道も歩きやすくなりさらに先を進みます。
高圧線の下をくぐると、朝日を浴びて東京湾が黄金色に耀いていました。
林間から高取山の展望台も見えてきました。
この先も歩きやすい道を朝日が明るく照らしてくれます。
頂上が近づいた頃にしばらく平坦な道が続き、最後の短い急登りがありました。
上がりきると、仏果山の展望台が見えてきました。
頂上に到着。仏像様たちがお迎えくださいました。
早速、展望台に上がってみました。
展望台からの眺めです。まずは湘南方面。
相模湾がよく見えます。
反時計回りに横浜方面。東京湾が朝日を浴びて黄金色に耀いています。
横浜、川崎方面。
東京都心方面。スカイツリーもはっきり見えていました。
東京北部、埼玉方面。筑波山もよく見えます。
関東平野北部。
奥多摩方面。
宮ケ瀬ダムと焼山、黍殻山。
丹沢主稜線北部。蛭ヶ岳がずいぶん雪をかぶってきました。
丹沢主稜線南部。
大山。ここからは結構どっしりとした感じに見えます。
愛川町と中津川。写真 真ん中の野球場が気になりました。
展望台は3畳間ほどの広さでしょうか。今日は風も弱く、心地よく展望を楽しめました。
お次は高取山を目指して稜線歩きです。
途中から振り返った仏果山。頂上に展望台が小さく見えます。
朝日を浴びた気持ちの良い尾根歩き。頬に当たる氷点下の空気が心地よく感じます。
宮ケ瀬越に到着。
ここから先、高取山方面から登ってきたハイカーさんたちとすれ違うようになってきました。
小さいアップダウンがありますが、引き続き快適な稜線歩きが続きます。
しばらく歩くと、展望台が見えてきて
高取山頂上に到着。
ここでも、展望台に上がってみました。
仏果山と同じ眺めですが、少し角度が違っていました。
湘南方面は見えませんが、ここからも東京湾は黄金色に耀いていました。
展望台を降り、ベンチに腰掛けしばし休憩しました。
都心の街並みをのんびり眺めながらのおやつタイム。贅沢な時間です。
帰りは宮沢大橋方面へ下山。
仏果山への道と比べなだらかで歩きやすい登山道でした。
林道が出てきますが、横切って進みます。
しばらく歩くと宮沢大橋横の登山口まで下りてきました。
駐車場には10時前に着いて、そのまま帰宅しました。
祝日の午前中とあって道も空いており、40分弱で自宅に戻ることができました。
低山ですが十分楽しめるものです。
1日がっつり山登りするのも大好きですが、午前中だけプチ登山して、午後の時間が丸々使えるのも嬉しいですね。
【バリエーションルート】暖かな南斜面はシカの群れ 奥多摩・雲取山
正月休みは時間が取れず、やっと今年の初登山。
雲取山か蛭ヶ岳か迷いに迷って、今年は雲取山を登り初めにすることにしました。
天気予報では、3連休は最終日の天気がよさそうだったので、成人の日に山行しようと決めました。
当日は4時半に起きて、外を見ると・・・曇ってる。どうしよう。。
食事をして支度を済ませ、出発前の車の中で念のため天気予報を確認したところ、1日中晴れマーク。
予報を信じて5時過ぎに出発しました。
自宅から1時間で奥多摩湖に到着。
黎明の山の端が赤く染まってきて、山に霧がかかっているもの、どうやら雲一つない快晴のようです。
村営の駐車場に到着したときは夜も明けて青空が広がっていました。
雲取山は日原側から攻めるのが好きなのですが、日原街道の通行止めが当分続きそうなので、今回は石尾根南側からアプローチすることにしました。
しかしながら、鴨沢コースはあっさり目で、ちょっとでもバリルートを歩きたかったので、堂所までは「登り尾根」を行くことにしました。
今回は、
登り:「村営駐車場(小袖乗越)」-(登り尾根)→「堂所」→「七ツ石小屋」-(巻き道)→「ブナ坂」→「奥多摩小屋跡」→「雲取山」
下り:「雲取山」→「ブナ坂」→「七ツ石山」→「堂所」→「村営駐車場」
というコースです。
(※「登り尾根」は登山地図にコースの記載のないバリエーションルートです。自己責任で登山しておりますことお含みおきくださいませ)
7時ちょうどに駐車場を出発。
林道の分かれ目に尾根の取り付きがあります。
最初は広葉樹林帯の急坂を登ります。
やがて針葉樹林帯も出てきましたが、とにかく急坂を登り高度をかせぎます。(ここが今日イチの登りでした)
この尾根は予想に反して踏み跡が薄く、傾斜が急なうえに地面も柔らかいので足腰を使います。
今日山登りに行くので、昨晩のランニングは軽めにしたのですが、疲れが残っているのかいつものように足が出ません。。
30分登ると尾根はなだらかになり、明るい広葉樹林帯の広い尾根になりました。
この先しばらくは、アップダウンをほとんど感じない明るい尾根道の快適な登りでした。
やがて、ヤセ尾根になり、尾根上に灌木が並んでてやや歩きにくい道が続きます。
但し、尾根はずいぶん平坦に感じました。
林間から垣間見える空の青さでテンションがアゲアゲになります。
堂所に近づくと雪が出てきました。
やがて、尾根の右側に小屋が。
林業関係者の方々の詰所でしょうか? 隣に納屋もあり林業用と思われる工具があるようです。
小屋を過ぎてしばらく歩くと、堂所で一般登山道に合流。
登山道側から見た登り尾根の取り付きです。
登り尾根の歩行は2時間弱で、一般登山道より1時間程度余計に時間がかかりましたが、山道を歩いた感があり満足満足。
この先は、歩きやすい登山道を登って行きます。
ブナ坂へは、下の巻き道は橋の崩落により通行止めだそうです。
てな訳で上の巻き道を進むことにしました。
この巻き道はほとんど平らで、穏やかな冬の日差しを浴びた快適な道です。
ブナ坂の手前は日が当たらないようで、雪がべったりついていて、雪の下は所々凍結していました。
ブナ坂に到着。
一面雪化粧で、七ツ石山への登りも雪が被っていました。帰りも巻き道だな。。
ここでカロリーと水分を補給して一休み。
しばらく進むと、南斜面にシカの群れ。
数えたら9頭いました。小鹿も混じってます。
暖かな南斜面でエサを探しているのでしょう。食事の邪魔をしないよう、さっさと写真を撮らせてもらって先に進むことにしました。
今年は随分雪が少なく、この辺りの稜線はほとんど積雪がありません。
ヘリポートのあたりから雲取山の頂上が見えてきました。避難小屋の赤い屋根もよく見えます。
この先の登りで、思ったように足が上がらなくなり、小雲取山手前の急登の手前で、再度カロリーと水分を補給。
やっぱり昨晩のランニングの影響のようで、今日は足取りが鈍く、すぐに空腹感を感じます。
休憩のおかげで急登はすんなりやり過ごし、頂上が近づいてきました。
ほどなく山頂に到着。
頂上からの展望。
北側から反時計回りに、林間から見える「浅間山」と手前近くに「和名倉山」
奥秩父縦走路方面。奥は「甲武信ケ岳」
「国師ヶ岳」方面
「飛龍山」の向って右肩に「南アルプス北部」
向って左肩は「南アルプス南部」
「大菩薩連峰」
ここからの「富士山」はいつ見ても美しい。
東京都心方面は霞んでぼんやりでした。
頂上付近はそれなりに雪がありました。
場所を変えて、避難小屋横からの展望。
東側から今度は時計回りに「長沢背稜」方面
「石尾根」とその向こうは向って右が「三頭山」左が「大岳山」。
手前が「七ツ石山」その奥が「丹沢方面」。
昼食は避難小屋の中で取ることにしました。
外の気温は4℃弱。
相変わらずよく管理されていて、皆さんきれいに使っているようです。
昼食は毎度のコンビニ調達。
小屋の中は2℃。風もないので食事するのは外の方が暖かったかな。
食事を済ませて、のんびりコーヒーを飲んでから、小屋を出発しました。
ブナ坂の手前には、まだシカの群れがいました。
朝方に七ツ石山の登りについていた雪はすっかり消えていたので、「七ツ石山」に登ることにしました。
山頂からは雲取山と縦走路がよく見えます。いつ見てもいい眺めです。
しばし休憩して下山しました。
途中の「七ツ石小屋」。
昼食と休憩のおかげでしょうか、帰りはスイスイで、あっという間に堂所まで戻ってきました。
下りは一般登山道を進みました。
歩きやすい道を快調に飛ばして登山口に到着。
駐車場の車はずいぶん少なくなっていました。
雲取山、いったい何回登ったろうか?
何度登っても飽きないし、次はどんな思い作らせてくれるだろうか。。
【プチ登山】今年最後の山行もカモシカに遭遇 奥多摩・日の出山
そういえば、今年は「日の出山」に登っていない!!
大晦日は天気もよさそうだし朝だけ行ってこよう。
ということで、今年最後の山行に日の出山に登ってきました。
この山は真夏の「ヤマユリ」の時期や晩秋にナイトハイクをするのですが、夏は仕事が忙しく時間が取れず、台風19号の影響で都道184号線が通行止めになったりと、登る機会を逸しておりました。
コースは「つるつる温泉(日の出山登山口)」→「平井川源流」→「クロモ岩」→「日の出山」の往復です。
朝は5時半起きでいつもより遅めの起床。6時過ぎに自宅を出発しました。
車から山並をみると、霞んだ感じで・・・展望はそこそこだろうな、と思いあまり期待しないようにしました。
登山口には7時前に到着。支度をして7時過ぎに登り始めました。
平井川源流の様子が見たかったので、今日もナイトハイクと同じく林道コースを進みます。
林道は作業用の車の通行があるようで、よく整備されていました。
植林帯を抜けると青空が広がってきました。
林道の終点の平井川源流。下流の平井川では中学生の頃よく釣りをしました。
水場は大丈夫で、台風の被害はなかったようです。
この辺りから日差しを浴びるようになり、季節外れの暖かさもあって、汗が噴き出してきました。厚着しすぎたのを少し後悔。。
さらに登ってクロモ岩のあたりで丹沢の山並みが見えてきました。
クロモ岩の上の展望台で都心方面を眺めたのですが、やっぱり霞んでて、今日は都会の大展望は見れないな・・・と思って登山道に振り返ったところ、真っ黒な毛をした大型の動物が登山道に立っていて、サッとヤブの中に入って行きました。
カモシカでした。道を譲ってくれたようです。
その距離約7m。写真を撮らせてもらって、さっさとその場を離れました。
その先に階段があり、2つ目の階段を登り切ってさらに少し上ると頂上です。
登山口から1時間強で山頂に到着。しばらくぼっちで独り占めでした。
都心方面。やっぱり霞んでいます。
横浜方面。三浦半島と房総半島がうっすらと見えていました(写真ではわからないと思います)
丹沢方面。いちばん奥の山並の、向って右から「大室山」「檜洞丸」「蛭ヶ岳」「丹沢主稜線」「塔ノ岳」へこんだ部分が「ヤビツ峠」でその左が「大山」
「大岳山」。肩に小屋が見えます。
大岳山から南に延びる稜線から、「富士山」の頭がちょっとだけ見えていました。
「石尾根」方面。中央が「雲取山」で斜面に雪が見えます。手前の稜線は御岳山の集落です。
写真を撮った後は、山頂でしばし休憩。
おやつはいつものどら焼きと麦茶です。
今日は、家に帰ってからお正月の買い物に行くので、早めに下山することにしました。
下山の途中、稜線を振り返ると、針葉樹と冬枯れの山に空の青さがよくマッチして、冬場の山らしい景色でした。
頂上から約40分で林道ゲートまで下りてきました。
橋の上にはオブジェがあります。
これはカエル。
サカナ。
ザリガニ。
金属管やボルトなどで作られているようです。
見ていてなんだかホッとします。
駐車スペースに到着後、着替えを済ませ、お正月の買い物へと向かうことにしました。
帰宅後ネットで調べたところ、日の出山周辺はカモシカの生息地で、よく目撃されているそうです。意外と人里に近いところに住んでいるようですね。
でも、今年は年初と最後の山行でもカモシカに遭遇して、縁のある年でした。
私は、登山の際には必ず鈴をつけており、バリルートではラジオガンガンに鳴らすのですが、人に比べて動物に遭遇する機会がものすごく多いようです。
今年は7割以上の確率で大型の哺乳動物に遭っていて、草野球でもこのぐらいの打率でヒット打てればいいのですが・・・。
来年も楽しい登山ができますように。
【バリエーションルート】檜洞丸北尾根から北アルプスの見える山頂へ
[※本記事のコースではバリエーションルートや通行禁止区域の歩行が含まれております。自己責任での山行をしておりますので、ご留意の上ご覧くださいませ。(一般登山道を歩行される方は決してマネしないでください)]
草野球のシーズンも終わり、日曜日に時間が取れるようになったので、冬枯れの展望を見に丹沢に行くことにしました。
どこに登ろうかと考え、昨年末、山頂から見ることができなかった北アルプスを拝もうと丹沢・檜洞丸への山行を決めました。
いつものように裏丹沢の「神ノ川ヒュッテ」から登ろうと、道路状況を調べてみました。
台風19号の影響で通行止めになっていた県道76号線も通れるようになっており、神ノ川ヒュッテの手前1kmの林道が土砂崩れで通行止めになっているが、徒歩では通れるとのこと。今回も神ノ川からの周遊ルートで登ることにしました。
コースは「神ノ川ヒュッテ」→「広河原」→(檜洞丸北尾根)→「檜洞丸」→「矢駄尾根分岐」→「犬越路」→「神ノ川林道」です。
6時半過ぎが日の出なので、その頃に登山道に着くようにと自宅を5時前に出発し、「国道20号」→「県道76号」と進み、登山口にはあたりが明るくなったころ到着しました。
目の前の林道には土砂が覆いかぶさっています。
他の登山者はゼロでしたが、しばらくすると青ヶ岳山荘への荷揚げのお姉さんがやってきました。存在は存じておりまして声を掛けたところ、彼女は矢駄尾根を登るそうです。
なので、稜線上ですれ違ってまた会えるかもと会話を交わし、先に出発しました。
土砂崩れの箇所は谷側をすり抜け、しばらく歩くと神ノ川ヒュッテのゲートまでやってきました。
この先も1時間ほど林道歩きが続きます。
しばらく進むと、大型の動物が前方を走り去って行きました。
「カモシカ」でした。昨年もこの辺りで会ったな~ぁ。
カモシカは前方の林道の路肩で止まってこちらを見ています。
路肩から全く動く気配がなかったので、林道を通らせてもらうことにしました。
最短約7m横を素知らぬ顔をして通り、しばらく進んで振り返ると、顔だけ振り向いてこちらを見ていました。
やっぱり森の賢者。終始落ち着いていて、ツキノワグマやシカとは大違いです。
さらに林道を進むと立派な橋が出てきまして。
渡ってしばらくすると広河原への入り口に到着です。
ここでしばし休憩し、檜洞丸北尾根を登り始めました。
ただ、今日は空が曇ってて展望はムリかな。。
最初は樹林帯の急登をどんどん登ります。
1時間ほど登るとちょっとした広場が出てきて、ここで休憩を取ることにし水分とカロリーを補給しました。
辺りには、ワイヤーが転がっています。
この先は比較的広い尾根が続き、急登を進んで高度をかせぎます。
やがて、尾根道は草原の道を進むようになったのですが、足が進まなくなってきました。
かなりしんどく、どうやらシャリバテのようです。
山頂まであとちょっとでしたが、おにぎりと麦茶で栄養と水分を補給することにしました。
ところが、この一帯はシカの落し物だらけ。。
どこに腰掛けてリュックを置いても同じだろうと、何も考えず座り込みしばし休憩しました。(下山したらズボン履き替えて、家でちゃんと洗濯せねば。。)
その後はあっという間に体力がよみがえり、すぐに青ヶ岳山荘の屋根が見えてきました。
そして登山道と合流。
進路が分かりにくい箇所や危険な場所もなく2時間半のバリエーションルート歩きを堪能できました。
ほどなく檜洞丸山頂に到着。
頂上からの展望です。
まずは蛭ヶ岳と丹沢主稜線方面
相模湾方面。日射しを浴びて黄金色に輝いています。
次いで富士山。
畦ヶ丸の上に南アルプス南部方面がよく見えます。
南アルプス北部方面。
奥多摩方面。中央が三頭山、右の隅が大岳山でしょうか?
頂上の北側からは関東平野の街並みがよく見えました。
この位置からの富士山は本当にキレイです。2020年の年賀状の写真の1枚にします。
しばし展望を楽しんだ後、犬越路方面へ下山を開始しました。
矢駄尾根分岐。この頃から青空が広がってきました。
犬越路への下りは所々険しい急下りがあります。
ハシゴ登場。
お次はクサリ
この先の稜線の向こうに、犬越路の避難小屋が小さく見えます。
この尾根はヤセ尾根が続きます。
冬晴れの青空と冬枯れのコントラスト、いい眺めです。
2つ目のピークを越すと尾根道に岩がなくなり、格段に歩きやすくなりました。
所々、歩きやすい尾根も出てきました。
しばらくすると避難小屋が見えてきました。
小屋の手前の神ノ川方面への分岐に来ると、「ガーン!!」登山道通行止めじゃん!!
トラロープが張ってあります。
とりあえず、小屋に入って作戦を考えよう。
小屋の中はよく掃除され、丹沢の避難小屋らしくきれいでした。
おにぎりをほおばりながら小屋ノートをみると、この下400m地点で土石流により登山道が流され通行ができない様子。
但し、地形図をみると高い崖もなく、沢床を登山道が通るのは数か所。
なので、とりあえず下りてみて、
・通行不可能な箇所は樹林帯を高巻きする。
・どうしても通れないなら再度稜線に上がって矢駄尾根分岐まで尾根道を戻り、矢駄尾根を下る。(険しい登りとナイトハイクの下り。。)
できるだけ早く決断した方がいいだろうと、小屋を後にし、さっさと神ノ川への道を下リ始めました。バリルートとナイトハイクをやっているせいか妙に落ち着いています。
稜線から400mほど下ったところで、左の沢からの土石流で登山道がすっかりなくなっています。
但し、対岸に目新しいピンクテープがあり、その方向に進むと登山道が出てきました。
その後も土石流で数か所登山道が流されていましたが
土石の上を慎重に歩き、途切れた登山道を見つけ、無事林道まで下りてきました。
ガタガタの林道をさらに下って、神ノ川ヒュッテまで戻ってきました。
でも、登山道の道標の犬越路方面の標識には、通行止めの案内が全くない・・・うらめしやぁ~。
その後、林道を15分ほど歩いて、クルマまで帰ってきました。
台風19号の爪痕はまだまだ深く残っていること実感しました。
今日の山行ができたこと、山の神様に感謝し帰路につきました。
【5か月ぶりの山登り】南大菩薩縦走
今年の半ばから急激に仕事が忙しくなり、平日に休暇がなかなか取れず、休日も仕事をせねばならなかったので、山登りに全く行けてませんでした。
秋になってだいぶ時間ができて、さあ山に行こうと思ったのですが、週末ごとの雨と台風襲来で随分待たされてしまいました。
なんとか紅葉の時期にと思い、11月の3連休に5か月ぶりに山登りに行ってきました。
今回は、昨年登れなかった南大菩薩に行ってきました。
私は気に入った山に何度も登るタイプで、山登りを始めた頃から毎年のように来ています。20年以上前は、笹が深く道が不明瞭で、休日でも登山者はほとんどいなかったのですが、今では登山道が整備され、登山者も増えて、驚いたことにツアーコースにもなっているようです。
いつもは、塩山からバスで「大菩薩登山口」まで行き、「上日川峠」から「小金沢山」~「黒岳」~「ハマイバ丸」と縦走して「大谷ヶ丸」から「天目山温泉」へと下山するルートを行くのですが、今回は時間がなかったので、車で「大峠」まで行き、「黒岳」で稜線に上がって「牛奥ノ雁ヶ腹摺山」「小金沢山」を往復するコースにしました。
前日は家の用事で帰宅が午前0時で、山登りに備えすぐに寝たのですが、翌朝4時半起きで今回も睡眠不足での登山となりました。
5時に自宅を出発して、国道20号を西に進みます。早朝は車が少なくいつもスイスイ行くのですが、この日はトラックが多く大月まではいつもより時間がかかってしまいました。
大月の市街地を抜けて真木方面への道に入り、桑西から先は「真木小金沢林道」を進んだのですが、この林道が先日の台風19号で無事だったことは非常にラッキーでした。
やがて登山口の大峠に到着しましたが、午前7時で駐車場は満車。付近の路肩に車を停め、支度をして登山開始です。
登山口の手前から雲の中に富士山がぼんやり浮かぶように見えていました。
大峠の登山口。
ここの標高は「1560m」です。
黒岳方面へ登ります。道路の向かい側には「雁ヶ腹摺山」登山口があります。
登山口の上に東屋がありました。
登りはじめは熊笹の急登で、その後は広葉樹林帯の広い登山道の登りになりました。
道は全般的に登りやすく、明るい尾根道をどんどん登ります。
赤岩ノ丸の手前は再び急登になりました。
赤岩ノ丸からは黒岳と稜線が見えてきました。この先は比較的なだらかで、黒岳の直前が再び急登のようです。
案の定しばらくは緩やかな登りになりました。この辺りは紅葉が終わっていて、もう冬枯れでした。
その後急坂となり、登りきったら南大菩薩の稜線と合流しました。
すぐ左側に黒岳の頂上があるのですが、後で行くことにして右に進路を取りました。
しばらく樹林帯を進むのですが、歩きやすい尾根道です。
やがて明るい尾根となり、南大菩薩の特長である笹の草原が出てきました。
小ピークの「川胡桃沢ノ頭」に到着。ここからも雲の中に浮かんだ富士山が見えました。
さらに進むと林間から牛奥ノ雁ヶ腹摺山が見えてきました。
賽ノ河原付近からの牛奥ノ雁ヶ腹摺山。
鞍部からしばらく登ると牛奥ノ雁ヶ腹摺山に到着。日本で一番長い山名だそうです。
一休みした後、小金沢山方面へ歩くと草原が広がっていました。
20年以上前に苦戦していた笹原は、いまでははっきりと道がついています。
ほどなく小金沢山に到着。
山頂は比較的広めです。
山頂標識の上に小さな狛犬があり、ご丁寧にお賽銭も置いてありました。なかなか粋なことする登山者の方がいるものです。
頂上からの展望。
南大菩薩の稜線。富士山がぼんやり見えます。
雁ヶ腹摺山方面
南アルプス方面。白峰三山が雪をかぶっています。(これが白峰三山の由来だろうか?)
少し休んで、登ってきた道を戻ります。
途中、東側が開けた箇所があり、奥多摩三山がよく見えました。
秋の青空と草原の針葉樹の濃緑のコントラスト。心に沁みる景色です。
南向きの帰路は日差しが登山道を明るく照らしてくれます。
再び牛奥ノ雁ヶ腹摺山に到着。
ここにも狛犬が置いてありました。
林間から「甲斐駒ヶ岳」が頭だけ見えています。
黒岳は針葉樹が多いためでしょうか。周りの山に比べ確かに黒く見えます。
賽ノ河原ではススキが風に揺れていました。
黒岳に到着。林間の静かな山頂です。
すぐに大峠に下山せず、南側の「白谷ノ丸」まで足を伸ばすことにしました。
10分ほどで白谷ノ丸に到着。
甲府盆地は霞んで見えませんが、隣の尾根はきれいに紅葉しています。
大月方面には中央高速がよく見えるのですが、今日はぼんやりでした。
私のお気に入りスポットの「白谷小丸」に行くことにしました。
白谷ノ丸からちょっと下って登り返す感じで白谷小丸に到着。
この頂上は白砂に岩が点在して、鳳凰三山の稜線のような雰囲気がします。
最初に来た時は曇り空の黄昏時で幻想的なイメージが残っています。
白谷ノ丸方面。
盾のようにそびえる南大菩薩南部稜線。その上の雲に富士山が浮かんでいます。
大峠の向かいの雁ヶ腹摺山方面。
しばらく山頂を楽しんで下山することにしました。
黒岳との鞍部は「やまなしの森林100選」みたいですね。
大峠への分岐から稜線を離れ下山します。
稜線近くは苔むした倒木や岩が点在し山深さを感じます。
しばらく歩くと、突然倒木を切り裂くような大きな音が進行方向から聞こえてきました。私のリュックについている鈴の音を聞いて大きな動物が走り去ったようです。
音の大きさと取り乱した様子からツキノワグマでしょうか?
そういえば湯ノ沢峠から真木小金沢林道に下山した際、たくさんのクマの足あとを見たことがあったな。
立ち止まって鈴を大きく鳴らし、動物がいなくなっていることを確認して、下山を再開しました。今日もこいつ(鈴)に助けられたな。。
やがて登山道は落ち葉の絨毯に変わり
あっけなく大峠に到着。
林道の周りはきれいに紅葉していました。
もうすぐ紅葉が終わって、冬枯れの山になります。
バリエーションルートが登りやすく、展望も楽しめる時期ですね。
休暇取れるかな? 仕事もいいけど、山も楽しまないとね
【日本二百名山】シャクナゲの稜線から登る名峰 奥秩父・和名倉山
山登りをする人と百名山の話をすると、しばしば「二百名山にはチャレンジしないの?」と聞かれます。
いつも「百名山で満足していてね、名山めぐりもいいけど気に入った山に何度も登りたいので」と答えるようにしています。
そんな訳で今回登った「和名倉山」は日本二百名山なのですが、私が気に入っていて何度も登りたい山の1つです。
この山の頂上はなんの変哲もない、なだらかな樹林帯の中にあるのですが、奥秩父の主稜線から外れた独立峰で、頂上にたどり着くまでのバラエティーに富んだ道のりが山の醍醐味を感じさせてくれます。
今回は途中の稜線のシャクナゲを楽しみにこの時期(5月末)に登ることにしました。
行程が長いので早起きしたかったのですが、山登りの前の日はいつも寝るのが遅くなり、結局睡眠不足で5時前に自宅を出発しました。
この山は山梨側と埼玉側からのルートがあるのですが、自宅から行きやすい山梨側から登っています。
但し、クルマでないと登山口までのアクセスが難しいので、たいてい静かな山登りが楽しめます。
登山口の「三ノ瀬」には7時前に到着。すぐに支度をして登山を開始しました。
しばらくは林道歩きで、やがて将監小屋方面との分岐が出てきます。
ここは道を左に進みます。
登山道は広くデコボコのないなだらかな登りが続きます。
ちょっとした急坂を登りきると高原状の稜線となりました。
緑の絨毯の快適な道です。
やがて「牛王院平」に到着。道標が壊れていて左手の木の幹に「三ノセ」と書いてあります。
前方に「唐松尾山」が見えてきました。
数分歩くと和名倉山への分岐「山ノ神土」が出てきました。
この辺りからは「竜喰山(りゅうばみやま)」のどっしりとした山容がよく見えました。
ここからいよいよ和名倉山への稜線歩きです。
しばらくは笹の中の道を歩きます。
この道が破線ルートだった頃は、笹薮の中を泳ぐように歩いたような覚えがあったのですが、今では道がはっきり見えて歩きやすくなっています。
20年前の山岳地図を見ると、和名倉山への道は「注意が必要」と記されていて、難路の二百名山と言われていたのですが・・・時代は変わったものです。。
笹の道を抜けると草原の稜線が見えてきました。
この先のピークは左側を巻くのですが、
やっぱり今年も山アジサイが咲いていました。
その先にシャクナゲが咲いていました。
但し、去年より開花が遅く、花の数も半分くらいでした。
シャクナゲは年によって当たり外れがあるそうで、今年はイマイチかな? とやや期待外れの感がありました。
ここから先は樹林帯の中を進むのですが、うっそうとした雰囲気で、奥秩父最深部の縦走路や南アルプス奥部の樹林帯の稜線を思わせる道が続きます。
そして「西仙波」の手前で突然シャクナゲの花が出てきました。
西仙波に到着。ピークの周りはシャクナゲが満開。ここはスゴイ!!
今年は間違いなく当たり年で時期もバッチリみたいです。
さらに稜線を進むとシャクナゲのトンネルが。。
まだ赤や白のつぼみがあるのと、花もピンク色なのでこの先1週間がちょうど見頃のようです。
シャクナゲのトンネルを抜けると次のピーク「東仙波」への稜線が見えてきました。
この稜線がすばらしい!!
右に馬酔木の花
そして左はシャクナゲの群生
どちらも満開でした。
展望もよく。稜線上からは雲の上に頭だけ出した富士山が見えました。
竜喰山方面
その東側の飛龍山方面
西には甲武信ケ岳が見えます。
甲武信ケ岳は山梨(甲州)、埼玉(武州)、長野(信州)の境にあるのでその名がついたと言われていますが、「拳(こぶし)」のような山容からそう呼ばれたという説もあるそうです。
確かにこの位置からみたら周りの山と一緒になって「拳」のように見えます。
その南側は国師ヶ岳と思われます。
北側には、本日のピーク和名倉山のなだらかな山容が見えてきました。
東仙波までは稜線上のシャクナゲは満開で、日当たりの良いところは花が白くなっていました。
東仙波のピーク。見晴らしがよい場所です。
標識があったのですが割れてしまったようで、残りが木にかかっていました。
しばらく休憩して、和名倉山への道を進みました。
かわいらしい白い花が登山道に所々咲いています。
やがて白樺の樹林帯が出てきました。きれいな景色です。
白樺のピークを越して、確かこのあたりと思った場所に、
やっぱり咲いていました。「コイワカガミ」です。
この先もシャクナゲ満開の登山道が続きます。
赤石の露岩帯。プチ赤石岳という感じでしょうか。。
しばらく針葉樹林帯の稜線歩き。山深い雰囲気と針葉樹独特の香りがします。
和名倉山名物の「ワイヤー」が所々転がっていました。
テントを張って過ごしてみたいようなきれいな樹林帯の広場もありました。
やがて「川又」方面への分岐が出てきました。
道標がありますが川又方面は「ヒルメシ尾根」というバリエーションルートです。(いつか歩いてみたい)
ここから樹林帯のなだらかな登りになります。
しばらく進むと和名倉山と秩父湖方面の分岐に到着。
右側に進路を取ります。
山腹をトラバースするように進み
苔むした樹林帯に入っていくと和名倉山の頂上です。
頂上の標識が新しくなっていました。
山頂とは思えないようななだらかな場所で静かな樹林帯です。
山頂標識がなかった時期があったのでしょうか。石に山名と標高を書いてありました。
なんだかホッとする心遣いに感じました。
一息ついてひとり静かな山頂で昼食にしました。(毎度のコンビニ調達ランチです。。)
山頂横に「仁田小屋登山口」という標識があります。先の方にピンクテープが見え、薄っすらと踏み跡もあります。
地図には載っていないルートなのでバリエーションルートなのでしょう。(興味深々)
頂上でのんびり過ごした後は、登ってきた道を下山しました。
途中スミレが群生していました。
名前が分からないのですが白いかわいい花も咲いています。
花弁の色や形が微妙に違うので、きっと違う種類の花だと思います。
この花の写真を撮っている最中、先の登山道に何やら気配を感じました。
鈴を大きな音で鳴らすと、茶色の大きな毛の塊が登山道を横切って行きました。
シカでした。
登山道を離れ止ってこっちを見たり前を見たりして落ち着いた感じでしたが、お尻の白い毛が見えていたので警戒しているようです。
やがて東仙波の手前まで戻ってきました。
東仙波の東側のピークは「カバアノ頭」というそうです。なんだか登ってみたくなる山容をしています。
また、東側には「雲取山」(右のピーク)がよく見えました。左は「芋の木ドッケ」でしょう。
東仙波からは先に進む稜線がよく見えます。
シャクナゲを重ねていい眺めです。
この先もシャクナゲを楽しみながら奥秩父縦走路まで戻ってきました。
所々咲く花を楽しみながら、登山口の三ノ瀬に到着。
9時間弱(休憩含む)と丁度よい長さの山行で、シャクナゲや高山植物、樹林帯歩きが楽しめ、シカとの遭遇もあり満足な山行となりました。
和名倉山は、奥多摩のハイカーでも知らない人が結構いて、休日でも登山者が少ないのですが、個人的には奥秩父屈指の名峰だと思います。
この山を二百名山に推した人は、きっと山登りのツウだとつくづく感心しています。
次回は紅葉か冬枯れの季節に・・・また来よっと。。
【バリエーションルート】令和最初の山行 奥多摩・二軒小屋尾根からの雲取山
ゴールデンウィーク真っ只中。令和最初の山行はどこにしようと考えることもなく、慣れ親しんだ「雲取山」に決めました。
雲取山に登ってくる方々の多くが令和最初の山行に雲取山を選び、同じ思いの方々がたくさんいて楽しい気分になるだろうと思いつつ、ゴールデンウィーク中とはいえ静かな山歩きもエンジョイしたいといったわがままな希望もありました。
そこで、雲取山の東側ルートを選び、登りはバリエーションルートの「二軒小屋尾根」を歩くことにしました。
コースは「八丁橋」→「大ダワ林道入り口」-(二軒小屋尾根)-「芋ノ木ドッケ」→「雲取山」→「小雲取山 富田新道分岐」-(富田新道)ー「唐松谷林道入り口」→「八丁橋」です。
二間小屋尾根を最初に歩いたのは山を始めて2年目でした。
初めてクマに遭遇したり、道を間違えてヤブ漕ぎしたり、石尾根を目印に道なき道を野生のカンでガンガン登った思い出があります。
前日に親戚の家に出掛けて帰宅が遅くなってしまい、登山計画書やパッキングをあらかじめ準備しておいたものの結局今回も睡眠4時間半での山行でした。
当日は自宅を3時半に出発。しばらくすると空が明るくなってきて、コンビニに寄ったこともあり登山口の「八丁橋」には5時過ぎに到着。
数台の車が停まっていて、登山者と釣り人の車のようでした。
八丁橋を渡るとすぐにゲートが出てきました。
ゲートの前にも数台の車が停まっていました。
ここからは林道(日原林道)歩き。「大ダワ林道」が通行止めになる前は雲取山まで登るのにしばしば使っていた道です。
1時間ちょっとで大ダワ林道入り口に到着。
大ダワ林道は依然通行止めですが、親しみのあるルートなので再び歩けるようになってもらいたいものです。
沢に下りたところに橋が架かっていました。
対岸に釣り人の方がキャンプをされていて、少し会話をしたのですが、今日で4日目になるそうでして二軒小屋尾根には1日1,2組登ってるよ、とのことでした。
以前は登る人がほとんどいなかったのですが、やはりGPSの普及とかあるのでしょうね。
しばらく登ると二軒小屋尾根に乗りました。
まっすぐ行くと大ダワ林道なので、ここは右に曲がり尾根上を進みました。
ここにも「トウゴクミツバツツジ」が咲いています。
以前は取り付きからずっと笹薮の中に獣道が錯綜していたのですが、いつの間にか笹薮がなくなって歩きやすい尾根になっています。
標高1300mくらいにヤブが出てきて「アセビ」の花が咲いています。
約20年前に初めて歩いた時は、ちょうどこのあたりでヤブの中のクマとしばらく睨み合いになりました。
ごくたまに登山道を歩いていて、クマよけの鈴がうるさいからしまってくれと言われることがありますが、徹底的に無視することにしています。
この鈴のおかげで何回クマとの至近距離でのご対面を回避できたことか。金太郎じゃあるまいしクマとの取っ組み合いなんてやってられない。
尾根道はなだらかな登りと急坂を繰り返しますが歩きやすい道が続きます。
左手の林間から本日のピークの雲取山がよく見えます。
「モミソノ頭」に到着。静かなピークでした。
尾根の行程の約半分なので、ここで給水とカロリー補給をしてしばし休憩。
この先も巨木と幽玄な樹林帯が続きます。まさにバリエーションルートの醍醐味。
モミソノ頭の手前と先にそれぞれクマの落し物があり、いずれも時間が経っている様子でした。
モノは確認できなかったのですがそれ以外に強烈なニオイのする場所もあり、やはりクマはいるみたいですね。鈴やラジオは必携とよくよく感じました。
後方に見えていた「天祖山」が随分低く見えるようになってきました。
そして、最後の急坂。
登りきると針葉樹帯の先に道標のようなものが見えてきました。
「芋ノ木ドッケ」に到着。二軒小屋尾根方面はトラロープが張ってありました。
尾根に乗ってから2時間ちょっとでしたが、奥多摩の山深いルートが堪能できました。
この先は、雲取山の頂上を目指します。北斜面には小さな雪田が残っています。
芋ノ木ドッケ~雲取山間のコルにあたる「大ダワ」に到着。
大ダワ林道方面は通行止めで柵がかかってました。
苔むした登山道。鴨沢や三条ルートとは違った風景です。
この先の樹林帯にシカがいました。ヤブの奥に顔が見えたので、カメラを構えた瞬間にあっという間に逃げていきました。何かされると思ったのでしょうか。やはり、動物にカメラを向けるのは刺激してよくないと感じました。
雲取ヒュッテ跡。すっかり廃屋です。
振り返ると芋ノ木ドッケがよく見えました。左は「白岩山」でしょう。
「雲取山荘」手前に有毒植物の紹介があり、前回の山行で長沢背稜に咲いていた名称不明の花は「ハシリドコロ」っていうそうです。またひとつ花の名前を覚えた。。
「雲取山荘」
入り口には「鯉のぼり」がかかっていました。
雲取山への登り。そこそこの急登ですが二軒小屋尾根の急坂に比べれば踏ん張りがきいて道もよいのでどんどん登って行けます。
左手には芋ノ木ドッケから見えた雪田が見えてきました。
ほどなく頂上に到着。駐車場からの歩行時間は5時間半弱(休憩含む)でした。
山頂にはやっぱり多くのハイカーさんがいました。
頂上からの展望です。まずは「飛龍山」。
「奥秩父方面」 。
次いで、避難小屋付近からみた「長沢背稜」と「天祖山」 。
「大菩薩連峰」 。
「石尾根」と「御前山」「大岳山」。
今日は空が霞んでいて富士山は見えませんでした。
外の気温は8℃でしたが、肌寒く日差しもなかったので避難小屋の中で昼食にしました。
午後から雷の予報だったので正午前には下山を開始。しばらくすると山頂方面から雷鳴が聞こえてきました。
「小雲取山」下の富田新道への分岐。左に進路を取ります。
富田新道は、しばらくは笹原のなだらかな下りでした。
雷雲が近づいてきたようで、雷鳴も大きくなり雨も降りだしました。
以前、「間ノ岳」~「北岳」の稜線で雷雲に巻かれとんでもない目に遭ったことがトラウマになっているので、尾根上の雷はまっぴらとさっさと樹林帯に逃げこむことにしました。
ヒョウの土砂降りになり、登山道に積もってきました。
雨が止む気配がなかったので雨具を使うことにしましたが、道がよいので傘とザックカバーでしのげそうです。
やがて富田新道はひたすら下りになり、けっこうな急坂です。
何箇所か倒木がありましたが、巻き道の案内がありました。(助かります)
この道にも「トウゴクミツバツツジ」が花を咲かせていました。
さらに下ると沢の音が聞こえてきましたが、谷底に吸い込まれそうな勢いで降りて行きます。
やがて唐松谷林道への分岐に到着。
その先、谷底に降りる前につり橋がかかっていました。
対岸に渡ってしばらく登ると日原林道に戻ってきました。
ここからはクルマの停めてある八丁橋まで林道歩き。
やがてゲートが見えてきました。
八丁橋の駐車スペース。ゴールデンウィークでしたが停まっている車は数台でした。
令和初の登山は、後半天気が崩れましたが久々の二軒小屋尾根を楽しむことができ、雲取山に登った安心感も得られました。
あと1月で奥多摩・奥秩父ではツツジやシャクナゲが目を楽しませてくれます。高山植物も咲き始めるので行きたい山がたくさんあって・・・どこに登ろうか悩ましい季節がやってきますね。