海の見える山頂、花の咲く稜線

東京近郊の山登りのゆる~い日記です。。

【日本二百名山】シャクナゲの稜線から登る名峰 奥秩父・和名倉山

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山登りをする人と百名山の話をすると、しばしば「二百名山にはチャレンジしないの?」と聞かれます。

いつも「百名山で満足していてね、名山めぐりもいいけど気に入った山に何度も登りたいので」と答えるようにしています。

 

そんな訳で今回登った「和名倉山」は日本二百名山なのですが、私が気に入っていて何度も登りたい山の1つです。

 

この山の頂上はなんの変哲もない、なだらかな樹林帯の中にあるのですが、奥秩父の主稜線から外れた独立峰で、頂上にたどり着くまでのバラエティーに富んだ道のりが山の醍醐味を感じさせてくれます。

 

今回は途中の稜線のシャクナゲを楽しみにこの時期(5月末)に登ることにしました。

 

行程が長いので早起きしたかったのですが、山登りの前の日はいつも寝るのが遅くなり、結局睡眠不足で5時前に自宅を出発しました。

 

この山は山梨側と埼玉側からのルートがあるのですが、自宅から行きやすい山梨側から登っています。

但し、クルマでないと登山口までのアクセスが難しいので、たいてい静かな山登りが楽しめます。

 

登山口の「三ノ瀬」には7時前に到着。すぐに支度をして登山を開始しました。 

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しばらくは林道歩きで、やがて将監小屋方面との分岐が出てきます。 

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ここは道を左に進みます。

登山道は広くデコボコのないなだらかな登りが続きます。 

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ちょっとした急坂を登りきると高原状の稜線となりました。 

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緑の絨毯の快適な道です。

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やがて「牛王院平」に到着。道標が壊れていて左手の木の幹に「三ノセ」と書いてあります。 

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前方に「唐松尾山」が見えてきました。 

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数分歩くと和名倉山への分岐「山ノ神土」が出てきました。 

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この辺りからは「竜喰山(りゅうばみやま)」のどっしりとした山容がよく見えました。 

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ここからいよいよ和名倉山への稜線歩きです。 

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しばらくは笹の中の道を歩きます。

この道が破線ルートだった頃は、笹薮の中を泳ぐように歩いたような覚えがあったのですが、今では道がはっきり見えて歩きやすくなっています。

20年前の山岳地図を見ると、和名倉山への道は「注意が必要」と記されていて、難路の二百名山と言われていたのですが・・・時代は変わったものです。。

 

笹の道を抜けると草原の稜線が見えてきました。 

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この先のピークは左側を巻くのですが、

やっぱり今年も山アジサイが咲いていました。 

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その先にシャクナゲが咲いていました。 

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但し、去年より開花が遅く、花の数も半分くらいでした。

シャクナゲは年によって当たり外れがあるそうで、今年はイマイチかな? とやや期待外れの感がありました。

 

ここから先は樹林帯の中を進むのですが、うっそうとした雰囲気で、奥秩父最深部の縦走路や南アルプス奥部の樹林帯の稜線を思わせる道が続きます。 

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そして「西仙波」の手前で突然シャクナゲの花が出てきました。 

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西仙波に到着。ピークの周りはシャクナゲが満開。ここはスゴイ!! 

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今年は間違いなく当たり年で時期もバッチリみたいです。

 

さらに稜線を進むとシャクナゲのトンネルが。。 

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まだ赤や白のつぼみがあるのと、花もピンク色なのでこの先1週間がちょうど見頃のようです。

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シャクナゲのトンネルを抜けると次のピーク「東仙波」への稜線が見えてきました。 

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この稜線がすばらしい!!

右に馬酔木の花 

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そして左はシャクナゲの群生 

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どちらも満開でした。

 

展望もよく。稜線上からは雲の上に頭だけ出した富士山が見えました。 

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竜喰山方面 

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その東側の飛龍山方面 

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西には甲武信ケ岳が見えます。 

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甲武信ケ岳は山梨(甲州)、埼玉(武州)、長野(信州)の境にあるのでその名がついたと言われていますが、「拳(こぶし)」のような山容からそう呼ばれたという説もあるそうです。

確かにこの位置からみたら周りの山と一緒になって「拳」のように見えます。

 

その南側は国師ヶ岳と思われます。 

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北側には、本日のピーク和名倉山のなだらかな山容が見えてきました。 

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東仙波までは稜線上のシャクナゲは満開で、日当たりの良いところは花が白くなっていました。 

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東仙波のピーク。見晴らしがよい場所です。 

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標識があったのですが割れてしまったようで、残りが木にかかっていました。 

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しばらく休憩して、和名倉山への道を進みました。

 

かわいらしい白い花が登山道に所々咲いています。 

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やがて白樺の樹林帯が出てきました。きれいな景色です。 

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白樺のピークを越して、確かこのあたりと思った場所に、

やっぱり咲いていました。「コイワカガミ」です。 

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この先もシャクナゲ満開の登山道が続きます。 

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赤石の露岩帯。プチ赤石岳という感じでしょうか。。 

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しばらく針葉樹林帯の稜線歩き。山深い雰囲気と針葉樹独特の香りがします。 

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和名倉山名物の「ワイヤー」が所々転がっていました。 

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テントを張って過ごしてみたいようなきれいな樹林帯の広場もありました。 

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やがて「川又」方面への分岐が出てきました。

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道標がありますが川又方面は「ヒルメシ尾根」というバリエーションルートです。(いつか歩いてみたい)

 

ここから樹林帯のなだらかな登りになります。 

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しばらく進むと和名倉山と秩父湖方面の分岐に到着。 

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右側に進路を取ります。 

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山腹をトラバースするように進み 

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苔むした樹林帯に入っていくと和名倉山の頂上です。 

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頂上の標識が新しくなっていました。 

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山頂とは思えないようななだらかな場所で静かな樹林帯です。 

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山頂標識がなかった時期があったのでしょうか。石に山名と標高を書いてありました。 

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なんだかホッとする心遣いに感じました。

 

一息ついてひとり静かな山頂で昼食にしました。(毎度のコンビニ調達ランチです。。) 

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山頂横に「仁田小屋登山口」という標識があります。先の方にピンクテープが見え、薄っすらと踏み跡もあります。 

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地図には載っていないルートなのでバリエーションルートなのでしょう。(興味深々)

  

頂上でのんびり過ごした後は、登ってきた道を下山しました。

 

途中スミレが群生していました。 

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名前が分からないのですが白いかわいい花も咲いています。 

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花弁の色や形が微妙に違うので、きっと違う種類の花だと思います。

 

この花の写真を撮っている最中、先の登山道に何やら気配を感じました。

 鈴を大きな音で鳴らすと、茶色の大きな毛の塊が登山道を横切って行きました。

 

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シカでした。

登山道を離れ止ってこっちを見たり前を見たりして落ち着いた感じでしたが、お尻の白い毛が見えていたので警戒しているようです。

 

やがて東仙波の手前まで戻ってきました。 

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東仙波の東側のピークは「カバアノ頭」というそうです。なんだか登ってみたくなる山容をしています。 

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また、東側には「雲取山」(右のピーク)がよく見えました。左は「芋の木ドッケ」でしょう。 

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東仙波からは先に進む稜線がよく見えます。 

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シャクナゲを重ねていい眺めです。 

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この先もシャクナゲを楽しみながら奥秩父縦走路まで戻ってきました。 

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所々咲く花を楽しみながら、登山口の三ノ瀬に到着。 

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9時間弱(休憩含む)と丁度よい長さの山行で、シャクナゲ高山植物、樹林帯歩きが楽しめ、シカとの遭遇もあり満足な山行となりました。

 

和名倉山は、奥多摩のハイカーでも知らない人が結構いて、休日でも登山者が少ないのですが、個人的には奥秩父屈指の名峰だと思います。

この山を二百名山に推した人は、きっと山登りのツウだとつくづく感心しています。

 

次回は紅葉か冬枯れの季節に・・・また来よっと。。