【奥多摩三山-其ノ1】非対称形の前衛の山 奥多摩・大岳山
通勤電車の車窓や、家のそばの幹線道路を走っていると、大岳山はよく目立ちます。
奥多摩の山並の最前衛にありアピール感にあふれた姿をしています。
しかしながら、この山の容は全く好みではなく、その非対称の形に、どっしりとした重厚感が全く感じられないためです。
でも、時々この山に登りたくなります。
山好きな人と話をすると、必ず「何で山登り始めたの」と聞かれます。
中学生の頃、自宅から30km以上離れた武蔵五日市の奥の「養沢」まで夜中に自転車を走らせ、よく釣りに行きました。
夜明け前後に魚が釣れるのですが、日が高くなると魚の食いが渋くなるので、再び釣れ出す夕方まで沢のそばを探検していました。
いつも釣りをする川や沢はどこから流れてくるんだろうか?
そう思って、本屋で地形図を買い、源が「大岳山」であることを知りました。
いつしか、この大岳山に興味と憧れを持ったのですが、当時、登山の心得のない私にとって、登山道を途中まで歩く程度しかできませんでした。
大きくなったらこの山の頂上に行ってみたい。
そう思ったことをよく覚えています。
中学生の時の気持ちが、心の中でずっと生きていたようで、それから15年後、山に登り始めました。
大岳山は私にとって山登りの原点。忘れられない思い出の山です。
そんな大岳山に2月後半の天皇誕生日の振替休日に登ってきました。
登山口は自宅から近い「日の出山登山口」にし、「日の出山」→「御岳山」→「奥の院峰」→「鍋割山」→「大岳山」の往復のコースを歩いてきました。
登山口までは車で40分で着くので、6時前に自宅を出発。
途中のコンビニで朝食と昼食のおにぎりを買い込み、6時半過ぎに登山口に到着。
支度をして7時前に登り始めました。
歩きなれた日の出山登山口を出発
いつもナイトハイクで歩く林道コースを進みました。
登山口から約1時間で日の出山頂上に到着
都心方面は霞んでいますが、朝日を浴びた東京湾が黄金色に耀いていました。
丹沢の山並もぼんやり見えています。
今日も、奥の稜線の向こうに富士山の頭だけ見えました。
本日の目的の大岳山。
その前に御岳山に行きます。頂上付近の集落がよく見えています。
山頂で写真を撮り終わるとすぐに、御岳山に進みました。
最初だけ少し下りますが、ずっと歩きやすい登山道が続きます。
途中でリスが木の上を歩いていました。(動きが早くて写真に収められませんでした)
今年、野生の哺乳動物に遭遇した確率は.667。う~ん、相変わらずの高打率だ。。
40分ほど歩くと商店街が見えてきて
その先に御岳山神社がありました。
神社まで行かずに、途中を左に曲がり「長尾平」の方に進みました。
長尾平の入り口には「長谷川恒男」さんの記念碑があります。
その向かい側に「長尾茶屋」さんが建っています。
小じんまりとしたいい雰囲気のお店でした。
その先に分岐があり、奥の院峰~鍋割山と縦走するコースを進みました。
この道は道標に「上級者コース」と書いてありましたが、一般的な登山道です。
尾根道なので所々急登りが出てきましたが、なだらかで歩きやすい箇所もありました。
途中、鎖がついていたところがありました。左側は崖になっていました。
奥の院峰への分岐が出てきました。
すぐ上に社が見えました。
社の裏を登るとすぐに奥の院峰に到着。
頂上には祠がありました。
ここから岩場の急下りでしたが、大岳山がよく見えました。
この位置からはどっしりとした雄大な山容をしています。
巻き道と合流すると道はなだらかになりました。
やがて再び登りとなり
鍋割山に到着。
この先しばらく、朝日を浴びて明るい快適な尾根道歩きです。
登山道には春の日差しが注ぎ、昨日までの強風もおさまって暖かく感じました。
大岳山が近づくにつれ、岩場が多くなり道も険しくなってきました。
鎖場が出てきます。
「大岳山荘」跡。すっかり廃屋になっています。
ここから本格的な急登になります。
やがて岩場の急登り。
しかしながら、そう長い登りではなく、ほどなく頂上に到着しました。
頂上からの展望です。
まず、南側に丹沢の方面。
時計回りに富士山。いい眺めです。
西側に三頭山とその向こうに大菩薩連峰。
御前山。
山容から想像した以上に広い山頂です。
富士山がよく見えるベンチに腰掛けて昼食にしました。
コンビニおにぎり2個なんですが、1個は写真撮る前に食べてしましました。
暖かな春の日差しの中、のんびりと展望を楽しんだ後、もと来た道を下山しました。
大岳山荘の様子を見に行ってみました。
敷地の中は立ち入り禁止になっていました。
建物がいくつかあって、結構大規模な山荘なんですね。
奥の洋館風の建物に青いビニールシートがかけられていました。
私が山登り始めた頃は営業していたんですけどねぇ~。。
なんか切ない思いがしました。
その後は登ってきた道を折り返しです。
林間から御岳山と日の出山が見えてきました。
相変わらず心地よい稜線歩きです。
鍋割山への分岐。帰りは巻き道を行きました。
非常に歩きやすい登山道です。
奥の院峰も巻きました。
この先は御岳山まで明るい林間の登山道が続きます。
平坦な道と急下りの繰り返しでした。
御岳山神社まで戻ってきました。
鳥居の向こうに東京の街並みがよく見えています。
御岳山のお店が開店していて、観光客と登山者が混じった異空間でした。
商店街を抜けると、集落から日の出山が見えてきました。
「山楽荘」さんの右側が登山道です。
手製の道標があって・・・この道を突き進むとヨーロッパ? アメリカ??に行っちまうのか~ぁ。。
朝はひんやりして少し寒さを感じた道も日が差して、春爛漫の暖かさでした。
日の出山への分岐に来ました。
外国人男性がどちらに進んでよいか分からない様子で困っていました。
「日の出山に行きたいのですか?」と聞くと
「ええ」と答えたので
「左の道ですよ、右はつるつる温泉への近道ですよ」と説明したところ、えらく納得してくれました。
日本語の山岳地図は、英語の記載がほとんどなく、外国人の方には難しいかも知れませんね。
ここも巻きまして、軽自動車が走れそうなくらい広くてなだらかな道を進みました。
やがて、見慣れた登山道と都心の街並み、麻生山の景色が見えてきました。
都心のビルは朝よりはっきり見える感じです。
帰りも林道ルートを下り、平井川源流を通りました。
水は細いながらもしっかり出ていました。
ここから先は林道歩き。
まだ「沢」といった感じの平井川のせせらぎを聞きながら駐車場まで戻りました。
このブログを書きながら地図をひょっと見たら、大岳山は日本二百名山なんですね。
なんか納得です。