【破線ルート】平成最後の山行 奥多摩・タワ尾根から酉谷山
4月の人事異動のバタバタで仕事が忙しく、休日も草野球の試合が続いたりでなかなか時間が取れなかったので3ヶ月ぶりの山登りとなりました。
平成の最後ということでどこに登ろうか考え、慣れ親しんだ奥多摩か丹沢にしようと思いました。
しかしながら、世はコールデンウィーク。雲取山なんぞ行こうものなら駐車場は満車、登山道はハイカー銀座、山頂は人いっぱいのお祭り状態だろうと。。
そこで、ずっと奥の方にしようと東京―埼玉の都県境の長沢背稜にある「酉谷山」をターゲットにし、破線ルートの「タワ尾根」を登ることにしました。
「タワ尾根」は私が山登りを始めた頃、石尾根や長沢背稜を歩いた時に見た重厚な尾根筋に魅かれた覚えがあります。
当時は全くのバリエーションルートで、ビジターセンターの方に話をしたところ「(登るの)やめときな、それにクマだらけだよ」と言われたこともありました。
ところが、10年ほど前に登山地図上にコースの記載がなかったタワ尾根が破線ルートとなり、ネットで見ていると近年は入山者も随分増えたようです。
前日、草野球の試合があり、帰って洗濯や片づけした後に山行の準備をしたので就寝が遅くなり、睡眠4時間半だなとあきらめて寝ることにしました。
当日は4時起き、駐車場の心配があったので支度をしてすぐに出発しました。
途中のコンビニで朝食・昼食の買い物をさっさと済ませ、登山口のある日原へと急ぎます。
日原には5時半過ぎに到着。駐車場から見る空は青々していてテンションが上がります。
東日原の有料駐車場を使ったのですが、まだ7~8台ほどのスペースがありました。
その後、車が徐々に入ってきて「あと30分もすれば満車かな」と思いながら準備をし、6時に歩き始めました。
すぐに駐在所があるので登山計画書をポストに提出。
タワ尾根への登山口がある「一石神社」は鍾乳洞の道路向かいにあり駐車場から30分で到着しました。
タワ尾根の取り付きは道標がないのですが、何となくここだろうと思ったところに小さな案内がありました。
最初は急坂で薄い踏み跡だったので、おそらく登山道じゃないだろうと思っていたら前にしっかりした道が出てきました。
その先はよく踏まれた登山道を進みますが急な登りが続きます。
やがて、ベンチが出てきたところで一休み。休憩も登山のうち。しっかり休まねば。
登山道は緩やかな登りと急坂を繰り返しますが、歩きやすい道が続きます。
「一石山」のを過ぎ、しばらく歩くと道が不明瞭になりましたが「ミズナラの巨木」が出てきました。
立派な巨木ですが折れてしまったのが残念です。
この付近は踏み跡が不明瞭だったので、念のため地図とコンパスを確認し尾根道の方へ進みました。
すぐに「人形山」に到着。
しばらく歩くと「トウゴクミツバツツジ」が咲いていました。
「金袋山」にて。誰が取り付けたのでしょうか? 金色の袋の形をしたユーモアのある標識で字体も凝ってます。。
この先も歩きやすい尾根が続きます。尾根も適当な幅で踏み跡もよく分かります。
「篤坂ノ丸」 手製標識がありました。
しばらく歩くとピークが見えてきました。「ウトウの頭」でしょうか。
入り込みやすい尾根にはとらロープが張ってあり、手製の道標がありました。
なだらかな登りの尾根をどんどん進みます。
やがて「ウトウの頭」に到着。針葉樹林に囲まれた落ち着いた静かなピークです。
ここの手製標識も楽しませてくれますね。
地図でみると、この先に2か所岩場があり南側を巻くように記載がありました。
しかしながら、急坂を下るとすぐに岩場が出てきました。
歩くと難儀しそうだったので左側を巻きましたが、踏み跡は不明瞭でした。いちど稜線に戻ったのですがその先も岩場を進めそうもなかったので、さらに左側を巻きました。
岩場を巻き終わると再び登山道が出てきて、今度は小さなヤブ。
よく見ると「アセビ」の花が咲いていました。
また岩場が出てきました。ロープが張ってあるのでこれが地図で「岩場南を巻く」と記載のある最初の方のようです。左に進むと巻き道がありました。
コルから振り返ると画面向って右側に巻き道がついています。
すぐに次の岩場ですが、ここも左を巻きました。
巻き道は明瞭で登山道のようです。テープもついていて、おまけにつづら折れの登りになってます。
岩場を巻き終わって坂を上りきると、はい、お約束の「モノレール」登場。。
この先、モノレールに沿った尾根道を登りました。
途中、わずかな残雪が。あと数日で消えそうな感じでした。
モノレール~♪
延びる~延びる、モノレール~♪♪
モノレール終点。
ここから先は数百メートルだけどバリルートが楽しめる。
と思いきや、どう見ても「登山道」がついている。。
あっという間に「長沢背稜」に合流。
長沢背稜から見たタワ尾根分岐(左側)。ちゃんと道がついています。
稜線を見ると、「酉谷山」と後ほど立ち寄る「酉谷避難小屋」が小さく見えています。
歩きやすい長沢背稜を進みます。
名称不明な花。
途中、林間から「八ヶ岳」の白い塊が見えました。
その先も快適な尾根歩きが続きます。
やがて「酉谷避難小屋」が眼下に出てきました。
この小屋も、山を始めて2~3年目に毎月のように泊りにきて、長沢背稜を雲取山まで縦走しました。
土台が流出した時期は使えなかったそうですが、昔と全く変わらなく見えます。
ここもよく管理されています。
最初は小屋の中で昼食をとろうとしたのですが、暖かい外で食べることにしました。
お湯を沸かしながら写真撮影。
まずは、頭だけの「富士山」。
「丹沢」の山並み。「蛭ヶ岳」は白く雪をかぶっています。
「大岳山」方面。右は「仏果山」だと思います。
東京都心方面。
登ってきたタワ尾根の向こうに「雲取山」が見えます。
再度、周りの山を見ると、大岳山の右側に、島?
わーい!! 江の島だ! 相模湾だ!! 海まで見えるo(^^)o
よく見ると、都心方面もビル群の向こうに「東京湾」と「房総半島」までしっかり見えていました。
大喜びしているうちに沸かしていたお湯が沸騰しまくっていたので、気を取り直して昼食に。
毎度のコンビニ調達の食事です。。
食事をしている最中も、食べ終わったあとも、ずっと展望を楽しんでいました。
このまま小屋で泊まってしまいそうな気になりそうだったので、気持ちを切り替えて酉谷山頂上を目指しました。
今度は、稜線の反対側に秩父の市街地がはっきり見え、埼玉~群馬方面の関東平野も見えてきました。
酉谷山までは比較的なだらかな登りでした。
ほどなく山頂に到着。林間の静かな頂上です。
まだ、木の葉がついていなので展望もそこそこで、「富士山」もきれいです。
「丹沢方面」「相模湾」「東京都心」もバッチリでした。
さらに長沢背稜を東に進みます。
稜線のコルの部分では北側が開けていて、所々で谷川連峰を見ることができました。
「七跳尾根」への分岐。「小川谷林道」がまだ通行止めなので、ここからは日原には下りられないようです。
振り返ると酉谷避難小屋が小さくなってしまいました。(画像中央上部)
長沢背稜はホント歩きやすく快適です。
やがて「ハナド岩」に到着。道標にも手書きで「ハナド岩」と書いてあります。
ここからはタワ尾根が堂々とした感じに横たわっていて、その向こうに石尾根が見えます。
「鷹ノ巣山」の向って左の肩に「富士山」、右の肩に「三頭山」。
「御前山」とその向こうは丹沢の山並みです。
さらに進んだ先に見慣れた標識が。初めて気づいたのですが「板形の峰」と書いてあります。
昨年9月に登った「ハンギョウ尾根」の終点です。登山道横の起伏の向こうにはやっぱりモノレールの軌道がありました。
長沢背稜歩きもそろそろ終わり。
で、「一杯水避難小屋」に到着。
今日の宿泊者の方々が数名いらっしゃいました。
ここで最後のカロリー補給と水分をしっかり採って下りに備えました。
歩きやすい「ヨコスズ尾根」を日原まで下りて行きます。
途中、花がたくさん咲いている箇所がありました。
まずは「ツルキンバイ」。
「アカフタチツボスミレ」
「名称不明」
「トウゴクミツバツツジ」も咲いています。
岩陰に咲いていたり、群生している箇所もありました。
ヨコスズ尾根後半は植林帯の下りになります。
一杯水から1時間半で東日原の登山口に到着。
バスより早くに車を出そうと、バス停に寄ってバスの出発時刻をチェックしたところ、あと12分で発車。
急いで車に戻って着替えをし、さっさと駐車場を出発しました。
こんな感じの平成最後の山行でしたが、私のブログタイトルにあるように、山頂から海を見ることができ、尾根道では花も楽しめたので大満足な山歩きとなりました。
令和になっても山は変わらないままでいてくれるので、このブログを読んで下さった皆さんが、新しい時代も楽しい山行ができますこと願っております。