海の見える山頂、花の咲く稜線

東京近郊の山登りのゆる~い日記です。。

【破線ルート】ぼっちの東京最高峰 奥多摩・雲取山

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私の勤務先は、仕事に支障がなければ希望の日にほぼ有給休暇の取得ができ(ありがたや~)、平日に山登りに行くことができます。

その場合、土日に登ってしまったらハイカーが多いけど平日なら人の少ない山道や山頂を楽しめる山を選ぶようにしています。

 

先の金曜日は、東京最高峰の「雲取山」に登ってきました。

 

山登りを始めた2年目の春に、隣の「七ツ石山」に登った時に見た雲取山の堂々とした姿と、歩いたら心地よさそうな稜線に登山意欲が湧いて、翌週に早速登った覚えがあります。

 

それから2年間、ほぼ毎月のように雲取山に登って四季を経験し、山登りを覚えることができました。

その後も、ほぼ毎年この山に登っています。

 

平日でも登山者の多い山なので、今回のルートは登山者の少ない「破線ルート」の「ヨモギ尾根」を登り、雲取山から「三条の湯」に下りる周遊ルートを選びました。

 

普段から睡眠時間が短いのですが、山登りの日は起床が普段より早くなりさらに睡眠不足になってしまいます。

今回は、前日早く寝ようと思ったのですが、サッカーのアジアカップを最後まで観てしまい、結局睡眠4時間半で山登りとなってしまいました。

 

登山口へは自宅から車で1時間半ほどのドライブ。国道から後山林道に入り、ゲートのある片倉橋手前の駐車スペースには7時前に到着となりました。

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 途中、国道の気温計は-4℃。ここはさらに気温が低いことでしょう。

 

7時過ぎに登山を開始しようとしたところ、軽自動車がやってきて中から引き締まった顔の男性4人が出てきました。

見たところ、登山者や狩猟者といった感じでもなく、背中にかごを背負って何かを採りに行くような様子でした。

そのうちの1人の方に声を掛けたところ、林業関係者の方々で「檜の枝打ち」に行かれるそうです。

 

どこまで行かれるのか聞いたところ「見晴台だけど、わかんないよね?」とのこと。

「片倉見晴駅ですよね?」と答えると、「ああそうだよ」と。

そこまでモノレールで行くそうです。

 

登山者にとっては急峻なバリエーションルートの「七ツ石尾根」を行くようですが、一度モノレールが動いているのを見てみたい気持ちを抑え、林道の奥へと進みました。

 

30分の林道歩きの後、登山道のある塩沢橋に到着。 

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道標に従って支線の林道に入ります。 

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10分ほど歩くと登山道への取り付きが出てきました。 

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最初は「ニジュウタタキ尾根」をトラバースするように登って行きます。 

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歩きやすい林間の道が続きます。 

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途中、水源管理の巡視路が何回か出てくるのですが、手書きの道標がありスムーズに進めます。 

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ヨモギ尾根」に取り付いたら広い林間の登山道が広がっていました。

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ヨモギ尾根は、「後山林道」から「石尾根」稜線上の「奥多摩小屋」まで上がれる道なのですが、私が山を始めたころは荒廃のため通行禁止になっていて、ハイカーの間でも難路と言われていました。

 

しかしながら、最近は登山道も整備され登山者も増えている様子で、ネットでも山行記をよく見かけるようになりました。

確かに普通の登山道と変わらない道が続いています。山腹を進むところは石が積まれていて歩きやすいのですが、「一体誰が整備してくれたのだろうか?」と不思議に思ってしまいました。(この疑問は下山時に解消されました)

 

奥後山のあたりでモノレールの終点がありました。 

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この尾根にもモノレールが設置されてたのですね。

ここからも歩きやすい道が続き、尾根を左右に切り返しながらなだらかな登りが続きます。 

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前方に雲取山が見えてきました。 

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相変わらず歩きやすい道が続き、左には飛龍山も見えます。 

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途中、なん箇所かクマのフンが落ちてました。奥多摩のクマは冬眠しないと言われているし、登山者の少ない尾根なので念のためラジオは鳴らしておきました。

 

さらに歩くと、右側から石尾根がどんどん近づいてきました。 

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ヨモギの頭」と「奥多摩小屋」に向かう道の分岐に来ました。 

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左側のヨモギの頭に向かう道はバリエーションルートだったのでこちらに進みたかったのですが、奥多摩小屋に行ってみたかったので右側の道に進路をとりました。

 

奥多摩小屋の水場はガチガチに凍っていました。いちおう細い水は出ています。 

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ここからは南大菩薩連峰の湯ノ沢峠の上に富士山がぼんやり見えました。 

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水場から上がると石尾根縦走路との分岐に着きました。 

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すぐ上にある奥多摩小屋を見に行きました。 

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ここは今年の3/31で営業終了になるとのことです。

初めてテン泊した思い出の場所なのでものすごく残念です。

 

稜線を進み、小雲取山手前の急坂を登りきると雲取山の頂上が見えてきました。 

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ほどなく雲取山山頂に到着。

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片倉橋から4時間15分(休憩含む)。奥多摩小屋の付近でのんびりしてしまってちょっと時間かかったかな。

 

誰もいない一人ぼっちの頂上です。

雲取山は数十回登っているのですが、おそらく日中に独り占めできたのは初めてじゃないかな。

 

頂上からの展望です。

まずは、大菩薩連峰と富士山。 

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飛龍山の肩に南ア・北岳が見えます。 

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林間からは浅間山。 

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秩父方面。さっきまで見えていた甲武信ケ岳方面には雲がかかってしまいました。 

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なだらかな山容の和名倉山。今年もシャクナゲの季節に行ってみたい山です。 

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都心方面はぼんやりとした山並みが見えました。その向こうにうっすら筑波山も見えます。(写真では分かりにくいです) 

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避難小屋付近からは石尾根縦走路、奥多摩三山(大岳山、御前山、三頭山)がよく見えました。 

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長沢背稜方面。手前は独立峰の天祖山です。 

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頂上からの展望を楽しんだ後、避難小屋で昼食をとりました。 

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毎度のコンビニ調達のカップ麺とおにぎりです。

 

ちなみに小屋の中は-3℃。 

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この小屋は山を始めた2~3年目に毎月のように泊りにきていました。

あれから20年経ちましたが全く変わらない佇まいで、ここだけ時間が止まっているような感覚になりました。 

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小屋の外は-6℃。小屋の中より気温は低いのですが日差しがあるので暖かく感じます。外で昼食食べればよかったかな。 

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昼食を済ませた後、再度頂上で展望を楽しんで、「三条の湯」方面に下山しました。 

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最初は急坂の下りです。 

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登りは全く雪がなかったのですが、ここは所々に積雪があり凍結箇所もあったので気をつけて下りました。

 

「三条ダルミ」に到着。「三条の湯」方面に下って行きます。 

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しばらく行くと登山道に所々積雪が出てきました。 

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アイゼンなしでも大丈夫ですがトラバースする感じで進む道なので斜面に滑り落ちないよう気をつけて通りました。

 

シカの足あともついています。 

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このルートはなだらかで歩きやすい道が延々続きます。

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以前は笹が登山道を覆うように張り出して歩きにくい箇所もあったのですが、今ではすっかり刈り払われ快適な道になっています。

 

沢が凍って登山道を塞いでいました。ノーアイゼンだったので右側を巻きました。 

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途中迂回路が出てきたので、高巻するような感じで急坂を登り、次に急坂を下りました。

迂回路も土留めがしてあり歩きやすい道でした。

 

迂回路が終わってからも歩きやすい道が続きました。所々、斜面の道に石積がされていてホントよく整備されています。 

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途中、見晴らしの良いところで、登ってきたヨモギ尾根がよく見えました。 

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やがて、三条の湯が見えてきました。 

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クマのはく製がありました。

 

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たいへんきれいな山小屋でハイカーに人気があるようです。

 

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お風呂を沸かすためのたくさんのまきがありました。 

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小屋のスタッフさんとお話をしまして、ヨモギ尾根の話題になり、昨年遭難者が出たそうです。

道迷いだそうで自力で下山できたとのことですが、気をつけてくださいとおっしゃってくださいました。

 

ここからは「お祭」方面へと進みました。 

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小屋下の沢は凍っていて、氷の下を水が流れていました。 

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ここから後山林道まで道はさらによくなりました。 

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30分弱歩くと林道終点にたどり着きました。 

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ここからはやや長い林道歩き。

途中大規模工事が行われていて、たくさんの方が作業をしていました。 

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東京都の水源管理のための大事な林道のようです。寒いなか皆様ありがとうございます。

 

登山口のある塩沢橋のあたりで、落石の横に三条の湯の車が停まっていて、やや年配の男性と若い女の方が何やら拾っていました。

伺ったところ、登山道整備に使う石積用の石を拾っているそうです。 

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拾った石を荷台に乗せて林道奥に進んで行きました。

 

登山道の整備は山小屋の方が地道にされてくださっているのですね。

その他、水源管理方や林業関係者の方のご尽力も多々あると思います。

我々が登山を楽しんだり生活に必要なものを手に入れるのはいろいろな方の心遣いがあるのだと感じました。(感謝)

 

さらに30分弱歩くと駐車スペースのある片倉橋まで戻ってきました。

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8時間半の山行でしたが、ほとんど登山者の方にも会うこともなくのんびりと一人の時間を過ごすことができました。

 

来月も平日登山行きたいな。さてどこに登ろうか。。