【プチ登山】今年最後の山行もカモシカに遭遇 奥多摩・日の出山
そういえば、今年は「日の出山」に登っていない!!
大晦日は天気もよさそうだし朝だけ行ってこよう。
ということで、今年最後の山行に日の出山に登ってきました。
この山は真夏の「ヤマユリ」の時期や晩秋にナイトハイクをするのですが、夏は仕事が忙しく時間が取れず、台風19号の影響で都道184号線が通行止めになったりと、登る機会を逸しておりました。
コースは「つるつる温泉(日の出山登山口)」→「平井川源流」→「クロモ岩」→「日の出山」の往復です。
朝は5時半起きでいつもより遅めの起床。6時過ぎに自宅を出発しました。
車から山並をみると、霞んだ感じで・・・展望はそこそこだろうな、と思いあまり期待しないようにしました。
登山口には7時前に到着。支度をして7時過ぎに登り始めました。
平井川源流の様子が見たかったので、今日もナイトハイクと同じく林道コースを進みます。
林道は作業用の車の通行があるようで、よく整備されていました。
植林帯を抜けると青空が広がってきました。
林道の終点の平井川源流。下流の平井川では中学生の頃よく釣りをしました。
水場は大丈夫で、台風の被害はなかったようです。
この辺りから日差しを浴びるようになり、季節外れの暖かさもあって、汗が噴き出してきました。厚着しすぎたのを少し後悔。。
さらに登ってクロモ岩のあたりで丹沢の山並みが見えてきました。
クロモ岩の上の展望台で都心方面を眺めたのですが、やっぱり霞んでて、今日は都会の大展望は見れないな・・・と思って登山道に振り返ったところ、真っ黒な毛をした大型の動物が登山道に立っていて、サッとヤブの中に入って行きました。
カモシカでした。道を譲ってくれたようです。
その距離約7m。写真を撮らせてもらって、さっさとその場を離れました。
その先に階段があり、2つ目の階段を登り切ってさらに少し上ると頂上です。
登山口から1時間強で山頂に到着。しばらくぼっちで独り占めでした。
都心方面。やっぱり霞んでいます。
横浜方面。三浦半島と房総半島がうっすらと見えていました(写真ではわからないと思います)
丹沢方面。いちばん奥の山並の、向って右から「大室山」「檜洞丸」「蛭ヶ岳」「丹沢主稜線」「塔ノ岳」へこんだ部分が「ヤビツ峠」でその左が「大山」
「大岳山」。肩に小屋が見えます。
大岳山から南に延びる稜線から、「富士山」の頭がちょっとだけ見えていました。
「石尾根」方面。中央が「雲取山」で斜面に雪が見えます。手前の稜線は御岳山の集落です。
写真を撮った後は、山頂でしばし休憩。
おやつはいつものどら焼きと麦茶です。
今日は、家に帰ってからお正月の買い物に行くので、早めに下山することにしました。
下山の途中、稜線を振り返ると、針葉樹と冬枯れの山に空の青さがよくマッチして、冬場の山らしい景色でした。
頂上から約40分で林道ゲートまで下りてきました。
橋の上にはオブジェがあります。
これはカエル。
サカナ。
ザリガニ。
金属管やボルトなどで作られているようです。
見ていてなんだかホッとします。
駐車スペースに到着後、着替えを済ませ、お正月の買い物へと向かうことにしました。
帰宅後ネットで調べたところ、日の出山周辺はカモシカの生息地で、よく目撃されているそうです。意外と人里に近いところに住んでいるようですね。
でも、今年は年初と最後の山行でもカモシカに遭遇して、縁のある年でした。
私は、登山の際には必ず鈴をつけており、バリルートではラジオガンガンに鳴らすのですが、人に比べて動物に遭遇する機会がものすごく多いようです。
今年は7割以上の確率で大型の哺乳動物に遭っていて、草野球でもこのぐらいの打率でヒット打てればいいのですが・・・。
来年も楽しい登山ができますように。
【バリエーションルート】檜洞丸北尾根から北アルプスの見える山頂へ
[※本記事のコースではバリエーションルートや通行禁止区域の歩行が含まれております。自己責任での山行をしておりますので、ご留意の上ご覧くださいませ。(一般登山道を歩行される方は決してマネしないでください)]
草野球のシーズンも終わり、日曜日に時間が取れるようになったので、冬枯れの展望を見に丹沢に行くことにしました。
どこに登ろうかと考え、昨年末、山頂から見ることができなかった北アルプスを拝もうと丹沢・檜洞丸への山行を決めました。
いつものように裏丹沢の「神ノ川ヒュッテ」から登ろうと、道路状況を調べてみました。
台風19号の影響で通行止めになっていた県道76号線も通れるようになっており、神ノ川ヒュッテの手前1kmの林道が土砂崩れで通行止めになっているが、徒歩では通れるとのこと。今回も神ノ川からの周遊ルートで登ることにしました。
コースは「神ノ川ヒュッテ」→「広河原」→(檜洞丸北尾根)→「檜洞丸」→「矢駄尾根分岐」→「犬越路」→「神ノ川林道」です。
6時半過ぎが日の出なので、その頃に登山道に着くようにと自宅を5時前に出発し、「国道20号」→「県道76号」と進み、登山口にはあたりが明るくなったころ到着しました。
目の前の林道には土砂が覆いかぶさっています。
他の登山者はゼロでしたが、しばらくすると青ヶ岳山荘への荷揚げのお姉さんがやってきました。存在は存じておりまして声を掛けたところ、彼女は矢駄尾根を登るそうです。
なので、稜線上ですれ違ってまた会えるかもと会話を交わし、先に出発しました。
土砂崩れの箇所は谷側をすり抜け、しばらく歩くと神ノ川ヒュッテのゲートまでやってきました。
この先も1時間ほど林道歩きが続きます。
しばらく進むと、大型の動物が前方を走り去って行きました。
「カモシカ」でした。昨年もこの辺りで会ったな~ぁ。
カモシカは前方の林道の路肩で止まってこちらを見ています。
路肩から全く動く気配がなかったので、林道を通らせてもらうことにしました。
最短約7m横を素知らぬ顔をして通り、しばらく進んで振り返ると、顔だけ振り向いてこちらを見ていました。
やっぱり森の賢者。終始落ち着いていて、ツキノワグマやシカとは大違いです。
さらに林道を進むと立派な橋が出てきまして。
渡ってしばらくすると広河原への入り口に到着です。
ここでしばし休憩し、檜洞丸北尾根を登り始めました。
ただ、今日は空が曇ってて展望はムリかな。。
最初は樹林帯の急登をどんどん登ります。
1時間ほど登るとちょっとした広場が出てきて、ここで休憩を取ることにし水分とカロリーを補給しました。
辺りには、ワイヤーが転がっています。
この先は比較的広い尾根が続き、急登を進んで高度をかせぎます。
やがて、尾根道は草原の道を進むようになったのですが、足が進まなくなってきました。
かなりしんどく、どうやらシャリバテのようです。
山頂まであとちょっとでしたが、おにぎりと麦茶で栄養と水分を補給することにしました。
ところが、この一帯はシカの落し物だらけ。。
どこに腰掛けてリュックを置いても同じだろうと、何も考えず座り込みしばし休憩しました。(下山したらズボン履き替えて、家でちゃんと洗濯せねば。。)
その後はあっという間に体力がよみがえり、すぐに青ヶ岳山荘の屋根が見えてきました。
そして登山道と合流。
進路が分かりにくい箇所や危険な場所もなく2時間半のバリエーションルート歩きを堪能できました。
ほどなく檜洞丸山頂に到着。
頂上からの展望です。
まずは蛭ヶ岳と丹沢主稜線方面
相模湾方面。日射しを浴びて黄金色に輝いています。
次いで富士山。
畦ヶ丸の上に南アルプス南部方面がよく見えます。
南アルプス北部方面。
奥多摩方面。中央が三頭山、右の隅が大岳山でしょうか?
頂上の北側からは関東平野の街並みがよく見えました。
この位置からの富士山は本当にキレイです。2020年の年賀状の写真の1枚にします。
しばし展望を楽しんだ後、犬越路方面へ下山を開始しました。
矢駄尾根分岐。この頃から青空が広がってきました。
犬越路への下りは所々険しい急下りがあります。
ハシゴ登場。
お次はクサリ
この先の稜線の向こうに、犬越路の避難小屋が小さく見えます。
この尾根はヤセ尾根が続きます。
冬晴れの青空と冬枯れのコントラスト、いい眺めです。
2つ目のピークを越すと尾根道に岩がなくなり、格段に歩きやすくなりました。
所々、歩きやすい尾根も出てきました。
しばらくすると避難小屋が見えてきました。
小屋の手前の神ノ川方面への分岐に来ると、「ガーン!!」登山道通行止めじゃん!!
トラロープが張ってあります。
とりあえず、小屋に入って作戦を考えよう。
小屋の中はよく掃除され、丹沢の避難小屋らしくきれいでした。
おにぎりをほおばりながら小屋ノートをみると、この下400m地点で土石流により登山道が流され通行ができない様子。
但し、地形図をみると高い崖もなく、沢床を登山道が通るのは数か所。
なので、とりあえず下りてみて、
・通行不可能な箇所は樹林帯を高巻きする。
・どうしても通れないなら再度稜線に上がって矢駄尾根分岐まで尾根道を戻り、矢駄尾根を下る。(険しい登りとナイトハイクの下り。。)
できるだけ早く決断した方がいいだろうと、小屋を後にし、さっさと神ノ川への道を下リ始めました。バリルートとナイトハイクをやっているせいか妙に落ち着いています。
稜線から400mほど下ったところで、左の沢からの土石流で登山道がすっかりなくなっています。
但し、対岸に目新しいピンクテープがあり、その方向に進むと登山道が出てきました。
その後も土石流で数か所登山道が流されていましたが
土石の上を慎重に歩き、途切れた登山道を見つけ、無事林道まで下りてきました。
ガタガタの林道をさらに下って、神ノ川ヒュッテまで戻ってきました。
でも、登山道の道標の犬越路方面の標識には、通行止めの案内が全くない・・・うらめしやぁ~。
その後、林道を15分ほど歩いて、クルマまで帰ってきました。
台風19号の爪痕はまだまだ深く残っていること実感しました。
今日の山行ができたこと、山の神様に感謝し帰路につきました。
【5か月ぶりの山登り】南大菩薩縦走
今年の半ばから急激に仕事が忙しくなり、平日に休暇がなかなか取れず、休日も仕事をせねばならなかったので、山登りに全く行けてませんでした。
秋になってだいぶ時間ができて、さあ山に行こうと思ったのですが、週末ごとの雨と台風襲来で随分待たされてしまいました。
なんとか紅葉の時期にと思い、11月の3連休に5か月ぶりに山登りに行ってきました。
今回は、昨年登れなかった南大菩薩に行ってきました。
私は気に入った山に何度も登るタイプで、山登りを始めた頃から毎年のように来ています。20年以上前は、笹が深く道が不明瞭で、休日でも登山者はほとんどいなかったのですが、今では登山道が整備され、登山者も増えて、驚いたことにツアーコースにもなっているようです。
いつもは、塩山からバスで「大菩薩登山口」まで行き、「上日川峠」から「小金沢山」~「黒岳」~「ハマイバ丸」と縦走して「大谷ヶ丸」から「天目山温泉」へと下山するルートを行くのですが、今回は時間がなかったので、車で「大峠」まで行き、「黒岳」で稜線に上がって「牛奥ノ雁ヶ腹摺山」「小金沢山」を往復するコースにしました。
前日は家の用事で帰宅が午前0時で、山登りに備えすぐに寝たのですが、翌朝4時半起きで今回も睡眠不足での登山となりました。
5時に自宅を出発して、国道20号を西に進みます。早朝は車が少なくいつもスイスイ行くのですが、この日はトラックが多く大月まではいつもより時間がかかってしまいました。
大月の市街地を抜けて真木方面への道に入り、桑西から先は「真木小金沢林道」を進んだのですが、この林道が先日の台風19号で無事だったことは非常にラッキーでした。
やがて登山口の大峠に到着しましたが、午前7時で駐車場は満車。付近の路肩に車を停め、支度をして登山開始です。
登山口の手前から雲の中に富士山がぼんやり浮かぶように見えていました。
大峠の登山口。
ここの標高は「1560m」です。
黒岳方面へ登ります。道路の向かい側には「雁ヶ腹摺山」登山口があります。
登山口の上に東屋がありました。
登りはじめは熊笹の急登で、その後は広葉樹林帯の広い登山道の登りになりました。
道は全般的に登りやすく、明るい尾根道をどんどん登ります。
赤岩ノ丸の手前は再び急登になりました。
赤岩ノ丸からは黒岳と稜線が見えてきました。この先は比較的なだらかで、黒岳の直前が再び急登のようです。
案の定しばらくは緩やかな登りになりました。この辺りは紅葉が終わっていて、もう冬枯れでした。
その後急坂となり、登りきったら南大菩薩の稜線と合流しました。
すぐ左側に黒岳の頂上があるのですが、後で行くことにして右に進路を取りました。
しばらく樹林帯を進むのですが、歩きやすい尾根道です。
やがて明るい尾根となり、南大菩薩の特長である笹の草原が出てきました。
小ピークの「川胡桃沢ノ頭」に到着。ここからも雲の中に浮かんだ富士山が見えました。
さらに進むと林間から牛奥ノ雁ヶ腹摺山が見えてきました。
賽ノ河原付近からの牛奥ノ雁ヶ腹摺山。
鞍部からしばらく登ると牛奥ノ雁ヶ腹摺山に到着。日本で一番長い山名だそうです。
一休みした後、小金沢山方面へ歩くと草原が広がっていました。
20年以上前に苦戦していた笹原は、いまでははっきりと道がついています。
ほどなく小金沢山に到着。
山頂は比較的広めです。
山頂標識の上に小さな狛犬があり、ご丁寧にお賽銭も置いてありました。なかなか粋なことする登山者の方がいるものです。
頂上からの展望。
南大菩薩の稜線。富士山がぼんやり見えます。
雁ヶ腹摺山方面
南アルプス方面。白峰三山が雪をかぶっています。(これが白峰三山の由来だろうか?)
少し休んで、登ってきた道を戻ります。
途中、東側が開けた箇所があり、奥多摩三山がよく見えました。
秋の青空と草原の針葉樹の濃緑のコントラスト。心に沁みる景色です。
南向きの帰路は日差しが登山道を明るく照らしてくれます。
再び牛奥ノ雁ヶ腹摺山に到着。
ここにも狛犬が置いてありました。
林間から「甲斐駒ヶ岳」が頭だけ見えています。
黒岳は針葉樹が多いためでしょうか。周りの山に比べ確かに黒く見えます。
賽ノ河原ではススキが風に揺れていました。
黒岳に到着。林間の静かな山頂です。
すぐに大峠に下山せず、南側の「白谷ノ丸」まで足を伸ばすことにしました。
10分ほどで白谷ノ丸に到着。
甲府盆地は霞んで見えませんが、隣の尾根はきれいに紅葉しています。
大月方面には中央高速がよく見えるのですが、今日はぼんやりでした。
私のお気に入りスポットの「白谷小丸」に行くことにしました。
白谷ノ丸からちょっと下って登り返す感じで白谷小丸に到着。
この頂上は白砂に岩が点在して、鳳凰三山の稜線のような雰囲気がします。
最初に来た時は曇り空の黄昏時で幻想的なイメージが残っています。
白谷ノ丸方面。
盾のようにそびえる南大菩薩南部稜線。その上の雲に富士山が浮かんでいます。
大峠の向かいの雁ヶ腹摺山方面。
しばらく山頂を楽しんで下山することにしました。
黒岳との鞍部は「やまなしの森林100選」みたいですね。
大峠への分岐から稜線を離れ下山します。
稜線近くは苔むした倒木や岩が点在し山深さを感じます。
しばらく歩くと、突然倒木を切り裂くような大きな音が進行方向から聞こえてきました。私のリュックについている鈴の音を聞いて大きな動物が走り去ったようです。
音の大きさと取り乱した様子からツキノワグマでしょうか?
そういえば湯ノ沢峠から真木小金沢林道に下山した際、たくさんのクマの足あとを見たことがあったな。
立ち止まって鈴を大きく鳴らし、動物がいなくなっていることを確認して、下山を再開しました。今日もこいつ(鈴)に助けられたな。。
やがて登山道は落ち葉の絨毯に変わり
あっけなく大峠に到着。
林道の周りはきれいに紅葉していました。
もうすぐ紅葉が終わって、冬枯れの山になります。
バリエーションルートが登りやすく、展望も楽しめる時期ですね。
休暇取れるかな? 仕事もいいけど、山も楽しまないとね
【日本二百名山】シャクナゲの稜線から登る名峰 奥秩父・和名倉山
山登りをする人と百名山の話をすると、しばしば「二百名山にはチャレンジしないの?」と聞かれます。
いつも「百名山で満足していてね、名山めぐりもいいけど気に入った山に何度も登りたいので」と答えるようにしています。
そんな訳で今回登った「和名倉山」は日本二百名山なのですが、私が気に入っていて何度も登りたい山の1つです。
この山の頂上はなんの変哲もない、なだらかな樹林帯の中にあるのですが、奥秩父の主稜線から外れた独立峰で、頂上にたどり着くまでのバラエティーに富んだ道のりが山の醍醐味を感じさせてくれます。
今回は途中の稜線のシャクナゲを楽しみにこの時期(5月末)に登ることにしました。
行程が長いので早起きしたかったのですが、山登りの前の日はいつも寝るのが遅くなり、結局睡眠不足で5時前に自宅を出発しました。
この山は山梨側と埼玉側からのルートがあるのですが、自宅から行きやすい山梨側から登っています。
但し、クルマでないと登山口までのアクセスが難しいので、たいてい静かな山登りが楽しめます。
登山口の「三ノ瀬」には7時前に到着。すぐに支度をして登山を開始しました。
しばらくは林道歩きで、やがて将監小屋方面との分岐が出てきます。
ここは道を左に進みます。
登山道は広くデコボコのないなだらかな登りが続きます。
ちょっとした急坂を登りきると高原状の稜線となりました。
緑の絨毯の快適な道です。
やがて「牛王院平」に到着。道標が壊れていて左手の木の幹に「三ノセ」と書いてあります。
前方に「唐松尾山」が見えてきました。
数分歩くと和名倉山への分岐「山ノ神土」が出てきました。
この辺りからは「竜喰山(りゅうばみやま)」のどっしりとした山容がよく見えました。
ここからいよいよ和名倉山への稜線歩きです。
しばらくは笹の中の道を歩きます。
この道が破線ルートだった頃は、笹薮の中を泳ぐように歩いたような覚えがあったのですが、今では道がはっきり見えて歩きやすくなっています。
20年前の山岳地図を見ると、和名倉山への道は「注意が必要」と記されていて、難路の二百名山と言われていたのですが・・・時代は変わったものです。。
笹の道を抜けると草原の稜線が見えてきました。
この先のピークは左側を巻くのですが、
やっぱり今年も山アジサイが咲いていました。
その先にシャクナゲが咲いていました。
但し、去年より開花が遅く、花の数も半分くらいでした。
シャクナゲは年によって当たり外れがあるそうで、今年はイマイチかな? とやや期待外れの感がありました。
ここから先は樹林帯の中を進むのですが、うっそうとした雰囲気で、奥秩父最深部の縦走路や南アルプス奥部の樹林帯の稜線を思わせる道が続きます。
そして「西仙波」の手前で突然シャクナゲの花が出てきました。
西仙波に到着。ピークの周りはシャクナゲが満開。ここはスゴイ!!
今年は間違いなく当たり年で時期もバッチリみたいです。
さらに稜線を進むとシャクナゲのトンネルが。。
まだ赤や白のつぼみがあるのと、花もピンク色なのでこの先1週間がちょうど見頃のようです。
シャクナゲのトンネルを抜けると次のピーク「東仙波」への稜線が見えてきました。
この稜線がすばらしい!!
右に馬酔木の花
そして左はシャクナゲの群生
どちらも満開でした。
展望もよく。稜線上からは雲の上に頭だけ出した富士山が見えました。
竜喰山方面
その東側の飛龍山方面
西には甲武信ケ岳が見えます。
甲武信ケ岳は山梨(甲州)、埼玉(武州)、長野(信州)の境にあるのでその名がついたと言われていますが、「拳(こぶし)」のような山容からそう呼ばれたという説もあるそうです。
確かにこの位置からみたら周りの山と一緒になって「拳」のように見えます。
その南側は国師ヶ岳と思われます。
北側には、本日のピーク和名倉山のなだらかな山容が見えてきました。
東仙波までは稜線上のシャクナゲは満開で、日当たりの良いところは花が白くなっていました。
東仙波のピーク。見晴らしがよい場所です。
標識があったのですが割れてしまったようで、残りが木にかかっていました。
しばらく休憩して、和名倉山への道を進みました。
かわいらしい白い花が登山道に所々咲いています。
やがて白樺の樹林帯が出てきました。きれいな景色です。
白樺のピークを越して、確かこのあたりと思った場所に、
やっぱり咲いていました。「コイワカガミ」です。
この先もシャクナゲ満開の登山道が続きます。
赤石の露岩帯。プチ赤石岳という感じでしょうか。。
しばらく針葉樹林帯の稜線歩き。山深い雰囲気と針葉樹独特の香りがします。
和名倉山名物の「ワイヤー」が所々転がっていました。
テントを張って過ごしてみたいようなきれいな樹林帯の広場もありました。
やがて「川又」方面への分岐が出てきました。
道標がありますが川又方面は「ヒルメシ尾根」というバリエーションルートです。(いつか歩いてみたい)
ここから樹林帯のなだらかな登りになります。
しばらく進むと和名倉山と秩父湖方面の分岐に到着。
右側に進路を取ります。
山腹をトラバースするように進み
苔むした樹林帯に入っていくと和名倉山の頂上です。
頂上の標識が新しくなっていました。
山頂とは思えないようななだらかな場所で静かな樹林帯です。
山頂標識がなかった時期があったのでしょうか。石に山名と標高を書いてありました。
なんだかホッとする心遣いに感じました。
一息ついてひとり静かな山頂で昼食にしました。(毎度のコンビニ調達ランチです。。)
山頂横に「仁田小屋登山口」という標識があります。先の方にピンクテープが見え、薄っすらと踏み跡もあります。
地図には載っていないルートなのでバリエーションルートなのでしょう。(興味深々)
頂上でのんびり過ごした後は、登ってきた道を下山しました。
途中スミレが群生していました。
名前が分からないのですが白いかわいい花も咲いています。
花弁の色や形が微妙に違うので、きっと違う種類の花だと思います。
この花の写真を撮っている最中、先の登山道に何やら気配を感じました。
鈴を大きな音で鳴らすと、茶色の大きな毛の塊が登山道を横切って行きました。
シカでした。
登山道を離れ止ってこっちを見たり前を見たりして落ち着いた感じでしたが、お尻の白い毛が見えていたので警戒しているようです。
やがて東仙波の手前まで戻ってきました。
東仙波の東側のピークは「カバアノ頭」というそうです。なんだか登ってみたくなる山容をしています。
また、東側には「雲取山」(右のピーク)がよく見えました。左は「芋の木ドッケ」でしょう。
東仙波からは先に進む稜線がよく見えます。
シャクナゲを重ねていい眺めです。
この先もシャクナゲを楽しみながら奥秩父縦走路まで戻ってきました。
所々咲く花を楽しみながら、登山口の三ノ瀬に到着。
9時間弱(休憩含む)と丁度よい長さの山行で、シャクナゲや高山植物、樹林帯歩きが楽しめ、シカとの遭遇もあり満足な山行となりました。
和名倉山は、奥多摩のハイカーでも知らない人が結構いて、休日でも登山者が少ないのですが、個人的には奥秩父屈指の名峰だと思います。
この山を二百名山に推した人は、きっと山登りのツウだとつくづく感心しています。
次回は紅葉か冬枯れの季節に・・・また来よっと。。
【バリエーションルート】令和最初の山行 奥多摩・二軒小屋尾根からの雲取山
ゴールデンウィーク真っ只中。令和最初の山行はどこにしようと考えることもなく、慣れ親しんだ「雲取山」に決めました。
雲取山に登ってくる方々の多くが令和最初の山行に雲取山を選び、同じ思いの方々がたくさんいて楽しい気分になるだろうと思いつつ、ゴールデンウィーク中とはいえ静かな山歩きもエンジョイしたいといったわがままな希望もありました。
そこで、雲取山の東側ルートを選び、登りはバリエーションルートの「二軒小屋尾根」を歩くことにしました。
コースは「八丁橋」→「大ダワ林道入り口」-(二軒小屋尾根)-「芋ノ木ドッケ」→「雲取山」→「小雲取山 富田新道分岐」-(富田新道)ー「唐松谷林道入り口」→「八丁橋」です。
二間小屋尾根を最初に歩いたのは山を始めて2年目でした。
初めてクマに遭遇したり、道を間違えてヤブ漕ぎしたり、石尾根を目印に道なき道を野生のカンでガンガン登った思い出があります。
前日に親戚の家に出掛けて帰宅が遅くなってしまい、登山計画書やパッキングをあらかじめ準備しておいたものの結局今回も睡眠4時間半での山行でした。
当日は自宅を3時半に出発。しばらくすると空が明るくなってきて、コンビニに寄ったこともあり登山口の「八丁橋」には5時過ぎに到着。
数台の車が停まっていて、登山者と釣り人の車のようでした。
八丁橋を渡るとすぐにゲートが出てきました。
ゲートの前にも数台の車が停まっていました。
ここからは林道(日原林道)歩き。「大ダワ林道」が通行止めになる前は雲取山まで登るのにしばしば使っていた道です。
1時間ちょっとで大ダワ林道入り口に到着。
大ダワ林道は依然通行止めですが、親しみのあるルートなので再び歩けるようになってもらいたいものです。
沢に下りたところに橋が架かっていました。
対岸に釣り人の方がキャンプをされていて、少し会話をしたのですが、今日で4日目になるそうでして二軒小屋尾根には1日1,2組登ってるよ、とのことでした。
以前は登る人がほとんどいなかったのですが、やはりGPSの普及とかあるのでしょうね。
しばらく登ると二軒小屋尾根に乗りました。
まっすぐ行くと大ダワ林道なので、ここは右に曲がり尾根上を進みました。
ここにも「トウゴクミツバツツジ」が咲いています。
以前は取り付きからずっと笹薮の中に獣道が錯綜していたのですが、いつの間にか笹薮がなくなって歩きやすい尾根になっています。
標高1300mくらいにヤブが出てきて「アセビ」の花が咲いています。
約20年前に初めて歩いた時は、ちょうどこのあたりでヤブの中のクマとしばらく睨み合いになりました。
ごくたまに登山道を歩いていて、クマよけの鈴がうるさいからしまってくれと言われることがありますが、徹底的に無視することにしています。
この鈴のおかげで何回クマとの至近距離でのご対面を回避できたことか。金太郎じゃあるまいしクマとの取っ組み合いなんてやってられない。
尾根道はなだらかな登りと急坂を繰り返しますが歩きやすい道が続きます。
左手の林間から本日のピークの雲取山がよく見えます。
「モミソノ頭」に到着。静かなピークでした。
尾根の行程の約半分なので、ここで給水とカロリー補給をしてしばし休憩。
この先も巨木と幽玄な樹林帯が続きます。まさにバリエーションルートの醍醐味。
モミソノ頭の手前と先にそれぞれクマの落し物があり、いずれも時間が経っている様子でした。
モノは確認できなかったのですがそれ以外に強烈なニオイのする場所もあり、やはりクマはいるみたいですね。鈴やラジオは必携とよくよく感じました。
後方に見えていた「天祖山」が随分低く見えるようになってきました。
そして、最後の急坂。
登りきると針葉樹帯の先に道標のようなものが見えてきました。
「芋ノ木ドッケ」に到着。二軒小屋尾根方面はトラロープが張ってありました。
尾根に乗ってから2時間ちょっとでしたが、奥多摩の山深いルートが堪能できました。
この先は、雲取山の頂上を目指します。北斜面には小さな雪田が残っています。
芋ノ木ドッケ~雲取山間のコルにあたる「大ダワ」に到着。
大ダワ林道方面は通行止めで柵がかかってました。
苔むした登山道。鴨沢や三条ルートとは違った風景です。
この先の樹林帯にシカがいました。ヤブの奥に顔が見えたので、カメラを構えた瞬間にあっという間に逃げていきました。何かされると思ったのでしょうか。やはり、動物にカメラを向けるのは刺激してよくないと感じました。
雲取ヒュッテ跡。すっかり廃屋です。
振り返ると芋ノ木ドッケがよく見えました。左は「白岩山」でしょう。
「雲取山荘」手前に有毒植物の紹介があり、前回の山行で長沢背稜に咲いていた名称不明の花は「ハシリドコロ」っていうそうです。またひとつ花の名前を覚えた。。
「雲取山荘」
入り口には「鯉のぼり」がかかっていました。
雲取山への登り。そこそこの急登ですが二軒小屋尾根の急坂に比べれば踏ん張りがきいて道もよいのでどんどん登って行けます。
左手には芋ノ木ドッケから見えた雪田が見えてきました。
ほどなく頂上に到着。駐車場からの歩行時間は5時間半弱(休憩含む)でした。
山頂にはやっぱり多くのハイカーさんがいました。
頂上からの展望です。まずは「飛龍山」。
「奥秩父方面」 。
次いで、避難小屋付近からみた「長沢背稜」と「天祖山」 。
「大菩薩連峰」 。
「石尾根」と「御前山」「大岳山」。
今日は空が霞んでいて富士山は見えませんでした。
外の気温は8℃でしたが、肌寒く日差しもなかったので避難小屋の中で昼食にしました。
午後から雷の予報だったので正午前には下山を開始。しばらくすると山頂方面から雷鳴が聞こえてきました。
「小雲取山」下の富田新道への分岐。左に進路を取ります。
富田新道は、しばらくは笹原のなだらかな下りでした。
雷雲が近づいてきたようで、雷鳴も大きくなり雨も降りだしました。
以前、「間ノ岳」~「北岳」の稜線で雷雲に巻かれとんでもない目に遭ったことがトラウマになっているので、尾根上の雷はまっぴらとさっさと樹林帯に逃げこむことにしました。
ヒョウの土砂降りになり、登山道に積もってきました。
雨が止む気配がなかったので雨具を使うことにしましたが、道がよいので傘とザックカバーでしのげそうです。
やがて富田新道はひたすら下りになり、けっこうな急坂です。
何箇所か倒木がありましたが、巻き道の案内がありました。(助かります)
この道にも「トウゴクミツバツツジ」が花を咲かせていました。
さらに下ると沢の音が聞こえてきましたが、谷底に吸い込まれそうな勢いで降りて行きます。
やがて唐松谷林道への分岐に到着。
その先、谷底に降りる前につり橋がかかっていました。
対岸に渡ってしばらく登ると日原林道に戻ってきました。
ここからはクルマの停めてある八丁橋まで林道歩き。
やがてゲートが見えてきました。
八丁橋の駐車スペース。ゴールデンウィークでしたが停まっている車は数台でした。
令和初の登山は、後半天気が崩れましたが久々の二軒小屋尾根を楽しむことができ、雲取山に登った安心感も得られました。
あと1月で奥多摩・奥秩父ではツツジやシャクナゲが目を楽しませてくれます。高山植物も咲き始めるので行きたい山がたくさんあって・・・どこに登ろうか悩ましい季節がやってきますね。
【破線ルート】平成最後の山行 奥多摩・タワ尾根から酉谷山
4月の人事異動のバタバタで仕事が忙しく、休日も草野球の試合が続いたりでなかなか時間が取れなかったので3ヶ月ぶりの山登りとなりました。
平成の最後ということでどこに登ろうか考え、慣れ親しんだ奥多摩か丹沢にしようと思いました。
しかしながら、世はコールデンウィーク。雲取山なんぞ行こうものなら駐車場は満車、登山道はハイカー銀座、山頂は人いっぱいのお祭り状態だろうと。。
そこで、ずっと奥の方にしようと東京―埼玉の都県境の長沢背稜にある「酉谷山」をターゲットにし、破線ルートの「タワ尾根」を登ることにしました。
「タワ尾根」は私が山登りを始めた頃、石尾根や長沢背稜を歩いた時に見た重厚な尾根筋に魅かれた覚えがあります。
当時は全くのバリエーションルートで、ビジターセンターの方に話をしたところ「(登るの)やめときな、それにクマだらけだよ」と言われたこともありました。
ところが、10年ほど前に登山地図上にコースの記載がなかったタワ尾根が破線ルートとなり、ネットで見ていると近年は入山者も随分増えたようです。
前日、草野球の試合があり、帰って洗濯や片づけした後に山行の準備をしたので就寝が遅くなり、睡眠4時間半だなとあきらめて寝ることにしました。
当日は4時起き、駐車場の心配があったので支度をしてすぐに出発しました。
途中のコンビニで朝食・昼食の買い物をさっさと済ませ、登山口のある日原へと急ぎます。
日原には5時半過ぎに到着。駐車場から見る空は青々していてテンションが上がります。
東日原の有料駐車場を使ったのですが、まだ7~8台ほどのスペースがありました。
その後、車が徐々に入ってきて「あと30分もすれば満車かな」と思いながら準備をし、6時に歩き始めました。
すぐに駐在所があるので登山計画書をポストに提出。
タワ尾根への登山口がある「一石神社」は鍾乳洞の道路向かいにあり駐車場から30分で到着しました。
タワ尾根の取り付きは道標がないのですが、何となくここだろうと思ったところに小さな案内がありました。
最初は急坂で薄い踏み跡だったので、おそらく登山道じゃないだろうと思っていたら前にしっかりした道が出てきました。
その先はよく踏まれた登山道を進みますが急な登りが続きます。
やがて、ベンチが出てきたところで一休み。休憩も登山のうち。しっかり休まねば。
登山道は緩やかな登りと急坂を繰り返しますが、歩きやすい道が続きます。
「一石山」のを過ぎ、しばらく歩くと道が不明瞭になりましたが「ミズナラの巨木」が出てきました。
立派な巨木ですが折れてしまったのが残念です。
この付近は踏み跡が不明瞭だったので、念のため地図とコンパスを確認し尾根道の方へ進みました。
すぐに「人形山」に到着。
しばらく歩くと「トウゴクミツバツツジ」が咲いていました。
「金袋山」にて。誰が取り付けたのでしょうか? 金色の袋の形をしたユーモアのある標識で字体も凝ってます。。
この先も歩きやすい尾根が続きます。尾根も適当な幅で踏み跡もよく分かります。
「篤坂ノ丸」 手製標識がありました。
しばらく歩くとピークが見えてきました。「ウトウの頭」でしょうか。
入り込みやすい尾根にはとらロープが張ってあり、手製の道標がありました。
なだらかな登りの尾根をどんどん進みます。
やがて「ウトウの頭」に到着。針葉樹林に囲まれた落ち着いた静かなピークです。
ここの手製標識も楽しませてくれますね。
地図でみると、この先に2か所岩場があり南側を巻くように記載がありました。
しかしながら、急坂を下るとすぐに岩場が出てきました。
歩くと難儀しそうだったので左側を巻きましたが、踏み跡は不明瞭でした。いちど稜線に戻ったのですがその先も岩場を進めそうもなかったので、さらに左側を巻きました。
岩場を巻き終わると再び登山道が出てきて、今度は小さなヤブ。
よく見ると「アセビ」の花が咲いていました。
また岩場が出てきました。ロープが張ってあるのでこれが地図で「岩場南を巻く」と記載のある最初の方のようです。左に進むと巻き道がありました。
コルから振り返ると画面向って右側に巻き道がついています。
すぐに次の岩場ですが、ここも左を巻きました。
巻き道は明瞭で登山道のようです。テープもついていて、おまけにつづら折れの登りになってます。
岩場を巻き終わって坂を上りきると、はい、お約束の「モノレール」登場。。
この先、モノレールに沿った尾根道を登りました。
途中、わずかな残雪が。あと数日で消えそうな感じでした。
モノレール~♪
延びる~延びる、モノレール~♪♪
モノレール終点。
ここから先は数百メートルだけどバリルートが楽しめる。
と思いきや、どう見ても「登山道」がついている。。
あっという間に「長沢背稜」に合流。
長沢背稜から見たタワ尾根分岐(左側)。ちゃんと道がついています。
稜線を見ると、「酉谷山」と後ほど立ち寄る「酉谷避難小屋」が小さく見えています。
歩きやすい長沢背稜を進みます。
名称不明な花。
途中、林間から「八ヶ岳」の白い塊が見えました。
その先も快適な尾根歩きが続きます。
やがて「酉谷避難小屋」が眼下に出てきました。
この小屋も、山を始めて2~3年目に毎月のように泊りにきて、長沢背稜を雲取山まで縦走しました。
土台が流出した時期は使えなかったそうですが、昔と全く変わらなく見えます。
ここもよく管理されています。
最初は小屋の中で昼食をとろうとしたのですが、暖かい外で食べることにしました。
お湯を沸かしながら写真撮影。
まずは、頭だけの「富士山」。
「丹沢」の山並み。「蛭ヶ岳」は白く雪をかぶっています。
「大岳山」方面。右は「仏果山」だと思います。
東京都心方面。
登ってきたタワ尾根の向こうに「雲取山」が見えます。
再度、周りの山を見ると、大岳山の右側に、島?
わーい!! 江の島だ! 相模湾だ!! 海まで見えるo(^^)o
よく見ると、都心方面もビル群の向こうに「東京湾」と「房総半島」までしっかり見えていました。
大喜びしているうちに沸かしていたお湯が沸騰しまくっていたので、気を取り直して昼食に。
毎度のコンビニ調達の食事です。。
食事をしている最中も、食べ終わったあとも、ずっと展望を楽しんでいました。
このまま小屋で泊まってしまいそうな気になりそうだったので、気持ちを切り替えて酉谷山頂上を目指しました。
今度は、稜線の反対側に秩父の市街地がはっきり見え、埼玉~群馬方面の関東平野も見えてきました。
酉谷山までは比較的なだらかな登りでした。
ほどなく山頂に到着。林間の静かな頂上です。
まだ、木の葉がついていなので展望もそこそこで、「富士山」もきれいです。
「丹沢方面」「相模湾」「東京都心」もバッチリでした。
さらに長沢背稜を東に進みます。
稜線のコルの部分では北側が開けていて、所々で谷川連峰を見ることができました。
「七跳尾根」への分岐。「小川谷林道」がまだ通行止めなので、ここからは日原には下りられないようです。
振り返ると酉谷避難小屋が小さくなってしまいました。(画像中央上部)
長沢背稜はホント歩きやすく快適です。
やがて「ハナド岩」に到着。道標にも手書きで「ハナド岩」と書いてあります。
ここからはタワ尾根が堂々とした感じに横たわっていて、その向こうに石尾根が見えます。
「鷹ノ巣山」の向って左の肩に「富士山」、右の肩に「三頭山」。
「御前山」とその向こうは丹沢の山並みです。
さらに進んだ先に見慣れた標識が。初めて気づいたのですが「板形の峰」と書いてあります。
昨年9月に登った「ハンギョウ尾根」の終点です。登山道横の起伏の向こうにはやっぱりモノレールの軌道がありました。
長沢背稜歩きもそろそろ終わり。
で、「一杯水避難小屋」に到着。
今日の宿泊者の方々が数名いらっしゃいました。
ここで最後のカロリー補給と水分をしっかり採って下りに備えました。
歩きやすい「ヨコスズ尾根」を日原まで下りて行きます。
途中、花がたくさん咲いている箇所がありました。
まずは「ツルキンバイ」。
「アカフタチツボスミレ」
「名称不明」
「トウゴクミツバツツジ」も咲いています。
岩陰に咲いていたり、群生している箇所もありました。
ヨコスズ尾根後半は植林帯の下りになります。
一杯水から1時間半で東日原の登山口に到着。
バスより早くに車を出そうと、バス停に寄ってバスの出発時刻をチェックしたところ、あと12分で発車。
急いで車に戻って着替えをし、さっさと駐車場を出発しました。
こんな感じの平成最後の山行でしたが、私のブログタイトルにあるように、山頂から海を見ることができ、尾根道では花も楽しめたので大満足な山歩きとなりました。
令和になっても山は変わらないままでいてくれるので、このブログを読んで下さった皆さんが、新しい時代も楽しい山行ができますこと願っております。
【破線ルート】ぼっちの東京最高峰 奥多摩・雲取山
私の勤務先は、仕事に支障がなければ希望の日にほぼ有給休暇の取得ができ(ありがたや~)、平日に山登りに行くことができます。
その場合、土日に登ってしまったらハイカーが多いけど平日なら人の少ない山道や山頂を楽しめる山を選ぶようにしています。
先の金曜日は、東京最高峰の「雲取山」に登ってきました。
山登りを始めた2年目の春に、隣の「七ツ石山」に登った時に見た雲取山の堂々とした姿と、歩いたら心地よさそうな稜線に登山意欲が湧いて、翌週に早速登った覚えがあります。
それから2年間、ほぼ毎月のように雲取山に登って四季を経験し、山登りを覚えることができました。
その後も、ほぼ毎年この山に登っています。
平日でも登山者の多い山なので、今回のルートは登山者の少ない「破線ルート」の「ヨモギ尾根」を登り、雲取山から「三条の湯」に下りる周遊ルートを選びました。
普段から睡眠時間が短いのですが、山登りの日は起床が普段より早くなりさらに睡眠不足になってしまいます。
今回は、前日早く寝ようと思ったのですが、サッカーのアジアカップを最後まで観てしまい、結局睡眠4時間半で山登りとなってしまいました。
登山口へは自宅から車で1時間半ほどのドライブ。国道から後山林道に入り、ゲートのある片倉橋手前の駐車スペースには7時前に到着となりました。
途中、国道の気温計は-4℃。ここはさらに気温が低いことでしょう。
7時過ぎに登山を開始しようとしたところ、軽自動車がやってきて中から引き締まった顔の男性4人が出てきました。
見たところ、登山者や狩猟者といった感じでもなく、背中にかごを背負って何かを採りに行くような様子でした。
そのうちの1人の方に声を掛けたところ、林業関係者の方々で「檜の枝打ち」に行かれるそうです。
どこまで行かれるのか聞いたところ「見晴台だけど、わかんないよね?」とのこと。
「片倉見晴駅ですよね?」と答えると、「ああそうだよ」と。
そこまでモノレールで行くそうです。
登山者にとっては急峻なバリエーションルートの「七ツ石尾根」を行くようですが、一度モノレールが動いているのを見てみたい気持ちを抑え、林道の奥へと進みました。
30分の林道歩きの後、登山道のある塩沢橋に到着。
道標に従って支線の林道に入ります。
10分ほど歩くと登山道への取り付きが出てきました。
最初は「ニジュウタタキ尾根」をトラバースするように登って行きます。
歩きやすい林間の道が続きます。
途中、水源管理の巡視路が何回か出てくるのですが、手書きの道標がありスムーズに進めます。
「ヨモギ尾根」に取り付いたら広い林間の登山道が広がっていました。
ヨモギ尾根は、「後山林道」から「石尾根」稜線上の「奥多摩小屋」まで上がれる道なのですが、私が山を始めたころは荒廃のため通行禁止になっていて、ハイカーの間でも難路と言われていました。
しかしながら、最近は登山道も整備され登山者も増えている様子で、ネットでも山行記をよく見かけるようになりました。
確かに普通の登山道と変わらない道が続いています。山腹を進むところは石が積まれていて歩きやすいのですが、「一体誰が整備してくれたのだろうか?」と不思議に思ってしまいました。(この疑問は下山時に解消されました)
奥後山のあたりでモノレールの終点がありました。
この尾根にもモノレールが設置されてたのですね。
ここからも歩きやすい道が続き、尾根を左右に切り返しながらなだらかな登りが続きます。
前方に雲取山が見えてきました。
相変わらず歩きやすい道が続き、左には飛龍山も見えます。
途中、なん箇所かクマのフンが落ちてました。奥多摩のクマは冬眠しないと言われているし、登山者の少ない尾根なので念のためラジオは鳴らしておきました。
さらに歩くと、右側から石尾根がどんどん近づいてきました。
左側のヨモギの頭に向かう道はバリエーションルートだったのでこちらに進みたかったのですが、奥多摩小屋に行ってみたかったので右側の道に進路をとりました。
奥多摩小屋の水場はガチガチに凍っていました。いちおう細い水は出ています。
ここからは南大菩薩連峰の湯ノ沢峠の上に富士山がぼんやり見えました。
水場から上がると石尾根縦走路との分岐に着きました。
すぐ上にある奥多摩小屋を見に行きました。
ここは今年の3/31で営業終了になるとのことです。
初めてテン泊した思い出の場所なのでものすごく残念です。
稜線を進み、小雲取山手前の急坂を登りきると雲取山の頂上が見えてきました。
ほどなく雲取山山頂に到着。
片倉橋から4時間15分(休憩含む)。奥多摩小屋の付近でのんびりしてしまってちょっと時間かかったかな。
誰もいない一人ぼっちの頂上です。
雲取山は数十回登っているのですが、おそらく日中に独り占めできたのは初めてじゃないかな。
頂上からの展望です。
まずは、大菩薩連峰と富士山。
飛龍山の肩に南ア・北岳が見えます。
林間からは浅間山。
奥秩父方面。さっきまで見えていた甲武信ケ岳方面には雲がかかってしまいました。
なだらかな山容の和名倉山。今年もシャクナゲの季節に行ってみたい山です。
都心方面はぼんやりとした山並みが見えました。その向こうにうっすら筑波山も見えます。(写真では分かりにくいです)
避難小屋付近からは石尾根縦走路、奥多摩三山(大岳山、御前山、三頭山)がよく見えました。
長沢背稜方面。手前は独立峰の天祖山です。
頂上からの展望を楽しんだ後、避難小屋で昼食をとりました。
毎度のコンビニ調達のカップ麺とおにぎりです。
ちなみに小屋の中は-3℃。
この小屋は山を始めた2~3年目に毎月のように泊りにきていました。
あれから20年経ちましたが全く変わらない佇まいで、ここだけ時間が止まっているような感覚になりました。
小屋の外は-6℃。小屋の中より気温は低いのですが日差しがあるので暖かく感じます。外で昼食食べればよかったかな。
昼食を済ませた後、再度頂上で展望を楽しんで、「三条の湯」方面に下山しました。
最初は急坂の下りです。
登りは全く雪がなかったのですが、ここは所々に積雪があり凍結箇所もあったので気をつけて下りました。
「三条ダルミ」に到着。「三条の湯」方面に下って行きます。
しばらく行くと登山道に所々積雪が出てきました。
アイゼンなしでも大丈夫ですがトラバースする感じで進む道なので斜面に滑り落ちないよう気をつけて通りました。
シカの足あともついています。
このルートはなだらかで歩きやすい道が延々続きます。
以前は笹が登山道を覆うように張り出して歩きにくい箇所もあったのですが、今ではすっかり刈り払われ快適な道になっています。
沢が凍って登山道を塞いでいました。ノーアイゼンだったので右側を巻きました。
途中迂回路が出てきたので、高巻するような感じで急坂を登り、次に急坂を下りました。
迂回路も土留めがしてあり歩きやすい道でした。
迂回路が終わってからも歩きやすい道が続きました。所々、斜面の道に石積がされていてホントよく整備されています。
途中、見晴らしの良いところで、登ってきたヨモギ尾根がよく見えました。
やがて、三条の湯が見えてきました。
クマのはく製がありました。
たいへんきれいな山小屋でハイカーに人気があるようです。
お風呂を沸かすためのたくさんのまきがありました。
小屋のスタッフさんとお話をしまして、ヨモギ尾根の話題になり、昨年遭難者が出たそうです。
道迷いだそうで自力で下山できたとのことですが、気をつけてくださいとおっしゃってくださいました。
ここからは「お祭」方面へと進みました。
小屋下の沢は凍っていて、氷の下を水が流れていました。
ここから後山林道まで道はさらによくなりました。
30分弱歩くと林道終点にたどり着きました。
ここからはやや長い林道歩き。
途中大規模工事が行われていて、たくさんの方が作業をしていました。
東京都の水源管理のための大事な林道のようです。寒いなか皆様ありがとうございます。
登山口のある塩沢橋のあたりで、落石の横に三条の湯の車が停まっていて、やや年配の男性と若い女の方が何やら拾っていました。
伺ったところ、登山道整備に使う石積用の石を拾っているそうです。
拾った石を荷台に乗せて林道奥に進んで行きました。
登山道の整備は山小屋の方が地道にされてくださっているのですね。
その他、水源管理方や林業関係者の方のご尽力も多々あると思います。
我々が登山を楽しんだり生活に必要なものを手に入れるのはいろいろな方の心遣いがあるのだと感じました。(感謝)
さらに30分弱歩くと駐車スペースのある片倉橋まで戻ってきました。
8時間半の山行でしたが、ほとんど登山者の方にも会うこともなくのんびりと一人の時間を過ごすことができました。
来月も平日登山行きたいな。さてどこに登ろうか。。